相続

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コンテンツ番号:2157

中途半端な遺言
(遺言書が中途半端でもめてしまった事例)

質問 先日父が亡くなったのですが(相続人はA~Cの兄弟の3人)、遺言書が二つでてきました。
遺言書1:甲地(評価額9,000万円)をABCに相続させ、同様の割合で共有する
遺言書2:甲地(評価額9,000万円)をABに相続させ、同様の割合で共有する
とありましたが、2に関してはCに関しての記述は一切ありませんでした。
1、2.どちらの遺言に従えばよいでしょうか。
※遺言書1、遺言書2どちらも形式自体に不備はないようです。

中途半端な遺言(遺言書が中途半端でもめてしまった事例)のイメージ

解説

遺言書の優劣

(前の遺言と後の遺言との抵触等)
民法1023条:「前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。」

とあります。本件の場合、遺言書1と遺言書2とでは、甲地に関して矛盾した内容になってしまっています。
このような場合、条文にもあるように、矛盾した部分については、「後に」作成された遺言が「前の」遺言書を撤回することとなっています。よって、遺言書1と遺言書2の後に作成された方に従うべきといえます。

民法968条:「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」

とあるように、具体的には、遺言書が作成された日付を比較し、後の遺言書に従うものとされます。

遺言書1が後に作成されていた場合

遺言書1が後に作成されていた場合には、遺言書1が真正として扱われます。そうすると甲地についてはABCがそれぞれ3分の1ずつで共有することになります。

遺言書2が後に作成されていた場合

遺言書2が後に作成されていた場合には遺言書2が真正として扱われます。そうすると甲地についてはABの2分の1ずつの共有となり、Cは相続することができません。
しかし、Cは遺留分減殺請求権を行使することによって金銭を得られます。

遺言書の内容にかかわらず、相続人は遺産の一定割合を取得できる権利があり、この取得できる割合のことを遺留分と言います。

(遺留分の帰属及びその割合)
第千四十二条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。

一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一

2相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。

とあります。よって、Cは相続財産の3分の1(ABCの各相続分)×3分の1(民法1028条2号)=6分の1=1,500万円の遺留分を得られる権利があります。

(遺留分侵害額請求権の期間の制限)
第千四十八条 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

後者は除斥期間と呼ばれ、時効による中断などはありません。遺留分権者が知らなかったとしても10年経過してしまうと、遺留分侵害額請求の権利を行使することは、もはやできませんので、注意が必要です。

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