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後妻と前妻との子の共有トラブル|弁護士Q&A

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後妻と前妻との子の共有トラブル

質問Aには亡き妻との間に2人の子供BCがいました。
その後、AはDと再婚し、その半年後Aは死亡しました。
Aには家、及びその土地が財産としてありました。
Aの妻Dは「この家及び土地の半分は私のものだから※1、この家と土地は売却して現金化する※2」と主張しています。
このBCは自分達の生家がなくなるのは許せなく何とかしたいと思っています。
何か良いアドバイスはありませんか。

後妻と前妻との子の共有トラブルの図

家を残すには持分を買い取る方法があります。

解説

1. 「この家及び土地の半分は私のものだから…」について

本件は後妻と前妻との子の争いにで、被相続人Aの相続人は後妻D及び前妻の子BCとなります。

民法890条:「被相続人の配偶者は、常に相続人となる。…」

とあり、仮に婚姻関係が短期間であっても常に相続人となります。また、妻がいる場合と子との相続分の割合については、

民法900条:「同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。」同条1号:「子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。」

とあります。よって、本件各人の相続分は後妻妻が2分の1、前妻との子BCがそれぞれ4分の1ずつの法定相続分ということになり、後妻Dの「この家及び土地の半分は私のものだから…」という主張は正当といえます。

2. 「…この家と土地は売却して現金化する」について

後妻Dが2分の1の法定相続分があるとして、売却することなどは自由に行えるのでしょうか。

民法898条:「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」

とあり、遺産分割協議で誰かが単独所有としない限りは、被相続人の相続財産は「共有」になります。本件の場合、後妻Dと前妻の子BCとは家屋及び土地について共有関係になるということです。その持分は、D:2分の1、B:4分の1、C:4分の1(法定相続分による)の割合となります。共有関係になると、

民法249条:「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」

とあるように各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができます。

民法251条:「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」

土地や建物「全部」の売却・譲渡は最大の変更行為に当たるため、各共有者全員の同意がいります。一方、相続により、所有権は終局的に後妻Dに移ったため、自己の持ち分(2分の1)については所有権の権能である使用収益処分については自由にすることができます。

(所有権の機能)

民法206条:「所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。」

よって、残念ながら、後妻Dの主張はいずれも適法といえます。

家を残す方法

上記のように後妻Dの主張が適法であったとしても、家屋及び土地を残す方法はあります。BCらがDから共有持分の譲渡を受けること(買い取る)ことで生家は残る可能性があります。

おそらく本件のDは一刻も早く現金化を望んでいるのでしょう。 現金を手にすることができれば持分もすんなりと譲ってくれるかもしれません。

しかし、希望の価格でない場合は拒否をし、他の人に売るなどと主張することも当然考えられます。実際、不動産の場合共有持分を売却しようとすると時価の3割減が相場で、地域によっては買い手がつかないこともあります。

実はそこに交渉の余地が出てくるのです。我々は共有持分問題解決のプロ集団です。専門的知見から争っている当事者間において最適な解決方法をご提案致します。共有持分でお悩みの方、是非一度中央プロパティにご相談下さい。

この記事の監修者

岡田 卓巳オカダ タクミ

弁護士

弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。不動産の共有関係解消など相続と不動産分野の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。

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