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【弁護士Q&A】共有共有持分の解体について相談です

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【弁護士Q&A】共有持分の解体について相談です

母親が亡くなり、兄と私で実家を相続することになりました。しかし、実家は遠方の田舎にあり、兄も私も今後住むつもりもないので、解体して土地を売却しようかと考えています。共有名義の家を解体する場合、何か書面で同意書を残すべきでしょうか?または口頭の同意があれば良いのか教えてください。

共有の建物を解体することは、共有物の処分行為に該当するので、共有者全員の同意が必要な行為です(建物解体後の共有の土地の売却も同様です)。法律上、同意(合意の形成)は、書面によることが必須というわけではありません。但し、後々になって、実は同意していなかった等と話が蒸し返されるリスクがゼロとは言えませんので、そうしたトラブル防止の観点からも、書面で合意内容を残しておくのが望ましいと考えます。
解体に当たり、特に問題になるのは、解体工事費用を誰がどれだけ支払うのか、という点になるかと思います。共有物の処分にかかった費用ですので、各人に共有持分割合で按分して負担するという方法が通常多いですが、共有者全員の合意があれば、これと異なる決め方をしても問題ありません。また、各自が費用を負担する場合も、最初からお金を出し合って解体費用を業者に支払うケースもあれば、一旦どちらか一方が全額を立て替えて、後で他方に精算を求めるケースもあります。特に後者の場合は、精算の期日や支払い方法、精算が遅れた場合の条件なども、予め決めておくのが良いでしょう。
建物を解体した後の建物滅失登記に関しては、共有者のうち1名が単独で申請することも出来ます。滅失登記の申請を誰がやるかや、登記費用を誰がどう負担するかについても、併せて書面で取りまとめておくのも有益です。
なお、仮に、ご実家の建物が倒壊寸前のようなケースの場合は、建物が倒壊するのを防ぐ目的での解体は、保存行為に該当すると考えられます。この場合、建物の解体自体は単独で(他の共有者の同意がなくとも)可能ですが、最終的に解体費用の精算の問題が出てくるので、他の共有者の非協力が明らかでない限りは、やはり事前の協議が重要です。

まとめ

  • 共有者間の合意は、口頭でも可能ですが、のちのトラブルを防止する意味では、書面で合意内容を残すことが重要です。
  • 特に、解体費用の負担・精算については、予め十分に協議を行なう必要があります。

この記事の監修者

菅原 悠互スガワラ ユウゴ

弁護士

弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で共有物分割や遺留分侵害額請求など相続で発生しがちな不動産のトラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。

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