共有持分を相続したらどうなる?相続人不在の場合の扱いと手続きを徹底解説【2023年民法改正対応】
目次
- 1 相続人不在とは?
- 2 相続人不在の不動産はどうなる?
- 3 持分が共有者に帰属するまでの流れ
- 4 知っておきたい!改正民法による「所在不明共有者」への対策
- 5 相続人不在時の登記手続き(名義変更)
- 6 共有持分の相続に関するよくある質問
- 6.1 Q1. 共有者が相続人不在で亡くなった場合、持分は自動的に自分のものになりますか?
- 6.2 Q2. 相続人不在の共有持分を取得するまでどれくらいかかりますか?
- 6.3 Q3. 費用はいくらくらいかかりますか?
- 6.4 Q4. 相続人不在の共有持分は国のものになりますか?
- 6.5 Q5. 相続人がいるか分からない場合はどうすればいい?
- 6.6 Q6. 所在不明の共有者と相続人不在は違いますか?
- 6.7 Q7. 共有持分だけを相続放棄できますか?
- 6.8 Q8. 相続登記をしないとどうなりますか?
- 6.9 Q9. 共有持分を取得した後、すぐ売却できますか?
- 6.10 Q10. 共有者が相続人不在の場合、固定資産税は誰が払う?
- 6.11 Q11. 特別縁故者が現れたら共有者は取得できませんか?
- 6.12 Q12. 相続人不在の共有持分を放置するとどうなりますか?
- 6.13 Q13. 自分で手続きできますか?
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不動産を共有しているパートナーや親族が亡くなり、その人に「相続人が一人もいない」ことが判明した場合、残された共有者の方は大きな不安を感じるはずです。
「この持分は自分のものになるの?」
「国に没収されてしまうのではないか?」
「連絡が取れない共有者がいる場合、売却はもうできないのか?」
結論から言えば、相続人がいない共有者の持分は、最終的に「他の共有者」に帰属すると法律で定められています。
本記事では、相続人不在時の共有持分の行方や、最新の法改正で変わった「所在不明共有者」への対策、具体的な登記の流れを徹底解説します。
相続人不在とは?
相続人不在(相続人不存在)とは、亡くなった人(被相続人)の財産を相続する人がいない状態をいいます。
相続人不在になる3つのケース
① 法定相続人がいない
民法で定められた法定相続人(配偶者・子・直系尊属・兄弟姉妹など)が誰もいない場合です。
相続順位
- 子(代襲相続人含む)
- 直系尊属(父母・祖父母)
- 兄弟姉妹(甥姪が代襲)
これらすべてがいない場合、相続人不存在となります。
② 相続人全員が相続放棄した
法定相続人がいても、全員が相続放棄をすると相続人は不存在扱いになります。
相続放棄は、相続開始を知ってから3か月以内(熟慮期間)に家庭裁判所へ申述が必要です。
③ 相続欠格・廃除
- 殺害や遺言偽造などの「相続欠格」
- 被相続人の請求による「相続廃除」
これにより相続人がいなくなることもあります。
相続人不在の不動産はどうなる?
ここが一番気になるポイントです。
単独所有の不動産の場合⇒国庫に帰属
以下の流れになります。
- 相続財産管理人が選任される
- 債権者への弁済
- 特別縁故者への分与
- 残った財産は国庫帰属
つまり、最終的には国のものになります。
共有名義不動産の場合⇒共有者に帰属
共有者の一人が相続人不在で死亡した場合、その持分は他の共有者に帰属します(民法255条)
※ただし、自動的に名義が変わるわけではありません。裁判所の手続きが必要になります。
持分が共有者に帰属するまでの流れ
自動的に名義が変わるわけではありません。以下の法的ステップを踏む必要があります。
| ステップ | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 1. 相続財産清算人の選任 | 家庭裁判所へ申し立て、財産を管理する専門家を選んでもらう。 | 以前の「相続財産管理人」から名称変更 |
| 2. 相続人捜索の公告 | 官報に掲載し、相続人が本当にいないか確認する。 | 最低6ヶ月以上の期間が必要 |
| 3. 特別縁故者の確認 | 縁故者がいる場合、その人への分与が優先される。 | 申立て期間内に希望者がいるか確認 |
| 4. 共有者への帰属 | 相続人も特別縁故者もいない場合、裁判所の手続きを経て確定。 | ここでようやく取得権利が発生 |
知っておきたい!改正民法による「所在不明共有者」への対策
「亡くなったかは不明だが、連絡が一切取れない」という共有者がいる場合、以前は手続きが停滞していましたが、2023年の改正法で以下の制度が新設されました。
- 持分取得制度:
裁判所の許可を得て、所在不明者の持分を他の共有者が取得できる(時価相当額の供託が必要)。 - 持分売却制度:
裁判所の許可を得て、所在不明者の持分を含めて不動産全体を第三者に売却できる。
相続人不在時の登記手続き(名義変更)
他の共有者に持分が移る際は、以下の2段階の登記が必要になるのが一般的です。
- 相続財産法人への名義変更: まず「亡くなった○○の財産」という箱(法人)に名義を移します。
- 持分移転登記: 最終的に裁判所の決定に基づき、他の共有者へ名義を移します。
【必要書類の例】
- 登記申請書
- 確定した審判書(裁判所の書類)
- 固定資産評価証明書
- 登録免許税(固定資産税評価額の 2% ※移転理由による)
共有持分を相続した場合の注意点
2024年4月から相続登記は義務化されました。
取得を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の可能性があります。
共有持分を相続した場合も対象です。
共有持分の相続に関するよくある質問
Q1. 共有者が相続人不在で亡くなった場合、持分は自動的に自分のものになりますか?
いいえ、自動ではありません。
法律上は最終的に他の共有者へ帰属しますが、家庭裁判所での手続き(相続財産管理人の選任など)を経る必要があります。
登記をしなければ第三者に対抗できません。
Q2. 相続人不在の共有持分を取得するまでどれくらいかかりますか?
一般的には 1年〜2年程度 かかることが多いです。
流れは以下の通りです。
- 相続財産管理人の選任
- 相続人捜索の公告(約6か月以上)
- 特別縁故者の申立期間
- 帰属確定・登記
案件の内容により期間は前後します。
Q3. 費用はいくらくらいかかりますか?
目安は以下の通りです。
- 申立費用:数千円〜1万円程度
- 官報公告費用:数万円
- 予納金(管理人報酬原資):20万円〜100万円程度(事案による)
- 登録免許税:固定資産評価額×税率
※不動産の価値や管理の難易度によって大きく異なります。
Q4. 相続人不在の共有持分は国のものになりますか?
共有不動産の場合は、原則として国庫には帰属しません。
単独所有の不動産であれば最終的に国庫帰属しますが、共有持分は他の共有者へ帰属します(民法255条)。
Q5. 相続人がいるか分からない場合はどうすればいい?
まずは戸籍調査を行います。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍収集
- 除籍謄本・改製原戸籍の確認
専門家に依頼するケースが一般的です。
Q6. 所在不明の共有者と相続人不在は違いますか?
はい、全く異なります。
- 所在不明共有者:生存しているが連絡が取れない
- 相続人不在:死亡しており相続人がいない
2023年改正民法により、所在不明共有者については裁判所の決定で持分取得できる制度(民法262条の2)が創設されました。
Q7. 共有持分だけを相続放棄できますか?
できません。
相続放棄は「財産の一部だけ」は不可です。すべての財産を放棄することになります。
Q8. 相続登記をしないとどうなりますか?
2024年4月から相続登記は義務化されています。
不動産取得を知った日から3年以内に登記しない場合、10万円以下の過料の可能性があります。
共有持分の相続も対象です。
Q9. 共有持分を取得した後、すぐ売却できますか?
可能です。
ただし、
- 他の共有者の同意が必要なケース
- 共有物分割請求が必要なケース
があります。
持分のみ売却する方法もありますが、市場価格より安くなる傾向があります。
Q10. 共有者が相続人不在の場合、固定資産税は誰が払う?
持分が確定するまでは、相続財産管理人が管理します。
ただし、実務上は他の共有者が立替えるケースも多く、後に精算することになります。
Q11. 特別縁故者が現れたら共有者は取得できませんか?
はい、その可能性があります。
特別縁故者への分与が優先されるため、残余財産がなければ共有者に帰属しない場合もあります。
Q12. 相続人不在の共有持分を放置するとどうなりますか?
リスクは以下の通りです。
- 不動産が売却できない
- 再建築・活用ができない
- 税金負担だけ続く
- 次世代へ問題が引き継がれる
共有問題は時間が経つほど複雑化します。
Q13. 自分で手続きできますか?
理論上は可能ですが、
- 戸籍調査
- 家庭裁判所申立
- 官報公告
- 登記申請
専門的な知識が必要なため、司法書士・弁護士へ依頼するケースが一般的です。

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相続人不在の共有持分を放置しておくと、将来的にその不動産を活用することも売却することもできなくなり、固定資産税だけを払い続ける「負の遺産」になりかねません。
2023年の民法改正により、所在不明や相続人不在の持分を整理するルールは整いましたが、実際に裁判所へ申し立てを行い、登記を完了させるまでには専門的な知識と多大な時間が必要です。
- 「複雑な手続きを避けたい」
- 「相続人と音信不通で不動産の扱いに困っている」
- 「今の持分を適正な価格ですぐに手放したい」
とお考えであれば、共有持分の取り扱いに特化したプロに相談するのが最もスムーズな解決策です。
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この記事の監修者
弁護士
エルピス総合法律事務所 代表弁護士/宅地建物取引士
東京大学法学部を卒業後、20年以上にわたり不動産法務の最前線で活躍する不動産トラブル解決のスペシャリスト。東京弁護士会に所属し、弁護士資格に加え宅地建物取引士の資格も有することで、法律と不動産実務の両面から深い専門知識と豊富な経験を持つ。
特に共有不動産における紛争解決においては、業界屈指の実績を誇り、共有物分割訴訟、遺産分割調停、遺留分侵害額請求など、複雑な案件を数多く解決に導いてきた。相続や離婚による共有名義不動産のトラブル解決に従事してきた。
著書に「事例でわかる 大家さん・不動産屋さんのための改正民法の実務Q&A」がある。メディア出演やセミナー登壇実績も多数。