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共有者が行方不明でも大丈夫!共有不動産を売却する方法4選

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共有者が行方不明でも大丈夫!共有不動産を売却する方法4選

共有者が行方不明でも大丈夫!共有不動産を売却する方法4選

共有名義不動産の、共有者が行方不明で売却を諦めていませんか?実は、法的な手続きを活用することで、共有者不在でも不動産を売却できる選択肢があります。

この記事では、共有者が行方不明の場合に有効な4つの方法を分かりやすく解説します。

共有者が行方不明の場合に起こる問題点

共有者の中に行方不明者がいる場合、以下のような問題が発生します。

  • 不動産の活用制限
  • 管理費用の負担増
  • 空き家問題
  • 相続による権利関係の複雑化
  • 共有者同士のトラブル

不動産の活用制限

共有不動産を売却、増改築、長期間賃貸に出すなどの場合は、原則として共有者全員の同意が必要です。しかし、共有者が行方不明の場合、この同意を得ることができず、不動産を活用することが困難になります。

管理費用の負担増

共有不動産の管理費用(固定資産税、修繕費など)は、共有者全員で負担する必要があります(民法第253条)。
しかし、共有者が行方不明の場合、その負担分を他の共有者が肩代わりしなければならず、経済的な負担が増加します。

空き家問題

共有不動産が空き家になっている場合、特定空き家に指定されるリスクがあります。特定空き家に指定されると、固定資産税が増額されたり、行政による強制解体の対象となる可能性もあります。(空家等対策の推進に関する特別措置法)

また、倒壊のリスクや治安の悪化などで、近隣に迷惑をかけるリスクもあります。

相続による権利関係の複雑化

共有者に相続が発生すると、共有者が更に増え、権利関係が複雑になります。共有者が多くなることで、全員の所在特定や意思統一ができず不動産の活用がさらに難しくなります。

共有者同士のトラブル

共有者間での意見対立や訴訟問題が発生するリスクもあります。
例えば、他の共有者が不動産を売却したいと考えていても、一部の共有者の同意が得られない場合、訴訟に発展する可能性があります。

行方不明の共有者を探す方法

行方不明の共有者を探す方法は、主に以下の方法があります。

  • 親族・知人への聞き込み:手がかりを求めて情報収集
  • 住民票・戸籍の調査:住所を特定する手がかり
  • 不在者財産管理人制度の利用:裁判所への申し立て
  • 弁護士への相談:専門家のサポート
  • 探偵調査の検討:専門的な調査で所在を突き止める

とは言え、行方不明の共有者がいることによって、不動産の活用や処分の制限がかかるのでは、他の共有者は困ってしまいます。

そこで、次の章では、行方不明の共有者がいる場合でも、共有不動産の活用や処分が実現する専門的な方法を紹介します。

【共有者が行方不明でもOK】共有不動産を活用・処分する方法4選

共有者行方不明の場合に、共有不動産を活用・処分する方法は以下の通りです。

  1. 不在者財産管理人制度
  2. 失踪宣告
  3. 所在等不明共有者の持分取得・譲渡制度
  4. 自己持分のみを売却する

1.不在者財産管理人制度

不在者財産管理人制度とは、不在者(行方不明者)の財産を管理・処分するために、家庭裁判所が選任した管理人によって、その財産を保全・管理する制度です。

つまり、不在者財産管理人が、行方不明者に代わって共有不動産の活用や処分の意思決定ができるようになります。

不在者財産管理人制度の手続きは以下の通りです。

  • 申立て:不在者の利害関係者が、不在者の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。申立書、戸籍謄本、財産目録などの書類が必要です。
  • 審理・審判:家庭裁判所が書類審査や調査を行い、不在者財産管理人を選任します。
  • 権限外行為許可:不在者財産管理人が財産を処分する場合は、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

申立ては、不在者の利害関係者なら誰でも行えます。

ただし、裁判所が選任する管理人は、申立人が希望する候補者とは限りません。また、財産の処分には、別途裁判所の許可が必要です。

2.失踪宣告

失踪宣告とは、生死不明の状態が一定期間継続した場合に、法律上死亡したものとみなす制度です。失踪宣告を受けると、不在者は死亡したものとして扱われるため、共有持分は相続人に引き継がれます。相続人が同意すれば、共有不動産の活用や処分ができるようになります。

失踪宣言の手続きは、以下の通りです。

  1. 申立て:行方不明者の利害関係人が、最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。申立書、戸籍謄本、失踪事実を証明する資料などが必要です。
  2. 審理・失踪宣告:家庭裁判所が調査を行い、官報などで届出を催告します。一定期間内に届出がなければ、失踪宣告がなされます。
  3. 市区町村役場への届出:失踪宣告後、市区町村役場に届出を行い、戸籍に記載されます。

失踪宣告の種類には、普通失踪と特別失踪があり違いは以下の通りです。

  • 普通失踪:7年間生死不明の場合
  • 特別失踪:戦争・災害など特別な危険に遭遇し、1年間生死不明の場合

失踪宣言は、手続き完了までに手間と時間がかかる点がデメリットです。

3.所在等不明共有者の持分取得・譲渡制度

所在等不明共有者の持分取得・譲渡制度とは、他の共有者が、所在不明の共有者の持分を取得または売却できる制度で、令和5年4月1日に導入されました。

共有者が行方不明の場合、その持分を扱う方法として、 所在等不明共有者持分取得制度所在等不明共有者持分譲渡制度の2つがあります。

①所在等不明共有者持分取得制度

持分の取得費用は、裁判所が決定した時価相当額を国に供託します。

②所在等不明共有者持分譲渡制度

ただし、この制度は、相続開始から10年以内の不動産には利用できません。
不動産全体を売却するため、共有者全員の同意が必要です。

どちらの制度を利用するかは、不動産をどのように活用したいかによって異なります。

  • 不動産を所有し続けたい場合:持分取得制度
  • 不動産を売却して現金化したい場合:持分譲渡制度

④自己持分のみを売却する

共有名義不動産を全体売却する場合、共有者全員の同意が必要になりますが、自己持分のみを売却する場合、他の共有者の同意は不要です。(民法第206条

共有者が行方不明、共有者が多すぎて意思確認や意思統一が難しい、今後の不動産活用予定がない、などの状況の場合、自分の持分のみを第三者に売却する方法が最も容易に現金化および問題解決できる手段となります。

ただし、共有持分のみの売却は一般市場では、中々買い手が見つかりにくいのが現状です。そのため、共有持分を専門に扱う不動産会社に依頼するのが一般的です。

共有者が行方不明の問題は放置せずに早めの解決を

共有者が行方不明のまま、問題を放置することは、後々大きなトラブルに発展するリスクがあります。

センチュリー21中央プロパティーでは、4つ目にご紹介した「共有持分の売却」を専門にサポートしています。

共有者が行方不明でも、あなたの持分のみを売却することが可能です。

仲介手数料や弁護士相談費用など、売却に伴う費用は一切無料ですので、共有持分の売却をご検討の方はぜひ当社にご相談ください。

この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。共有物分割訴訟、遺産分割調停、遺留分侵害額請求など共有持分をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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