最も低コストで解決するには|共有持分を売却する方法|その他
最も低コストで解決するには
低コストで売却するには
A、B、Cは亡き父からの土地甲をそれぞれの相続分、3分の1ずつで共同所有しています。A、Bは売却したいものの、Cは親の土地は売却できないと反対しています。Aとしては、次の選択を考えています。
- 反対のCを説得し、甲土地全部を売却する。
- Aのみの持分を売却する。
- A・Bの持分(3分の2)を売却する。
質問どれが一番低コストで解決ができる可能性が高いでしょうか。

1について
本件では、Aは可能な限り低コストで解決することを望んでいます。低コストのポイントは大きく分けて2つです。
- 時間をかけずに解決する
- できるだけ高く売却する
特に(1)が重要になります。いくら高く売れても、時間がかかってしまってはその間の経費、労力が余計にかかってしまうからです。例えば、裁判をしてまで高く売っても、裁判費用や弁護士費用、ひいては、自身が拘束される時間や精神的負担を考えれば、高く売れたとしても実質はそこまで得をしたとはいえません。
選択肢1では、反対のCを説得し、甲土地全部を売却すると考えているようです。この背景には、自己の共有持分のみを売却するよりも、土地全体を売却し、売却代金を按分する方が自己の取り分が高くなる可能性が高いと考えているからでしょう。
もちろん、それができればよいですが、Cの反対が説得できないような状況だと、長い期間交渉や説得を試みる必要がどうしても出てきます。反対の程度にもよりますが、「低コスト」での解決を望むのであれば、この選択肢はあまりお勧めできません。
2について
次の選択肢は、Aの共有持分のみ売却するという方法です。自己の共有持分のみの売却であれば、他の共有者の同意は不要です。自己の判断のみで動ける分、スムーズに売却できる可能性は高いです。ただ、共有持分は権利関係が複雑に絡み合っている不動産のため、通常の不動産よりも売却できる可能性はどうしても低くなってしまいます。
共有持分の売却は専門業者に相談することが重要です。専門業者は独自の売却ルートを持っているケースが多いためです。もちろん専門業者と謳っていてもさまざまですので、客観的判断をするために複数の専門業者に相談するのも重要と言えます。
3について
最後の選択肢は、甲土地の売却に賛成のA・Bの共有持分を共同売却するという選択です。2よりも手間がかかりそうと思うかもしれませんが、Aの共有持分のみを売却するよりも、A・Bの共有持分を共同で売却する方が、多くの金銭を得られる可能性があります。
極端な例ですが、100分の1の持分と2分の1の持分買う場合、「共有持分の割合が多い方を買いたい!」と考えるでしょう。そのため、共有持分の割合をできるだけ増やして売却するというのは、できるだけ高く売却するためには非常に効果的です。
もちろん、これには、他の共有者であるBの協力が必要です。Bとしても、高く売れる可能性が高くなるならと承諾してくれる可能性は高いでしょう。ただ、Bが協力してくれたからと言って必ず売却できる訳ではありません。買い手がいなければいくら売却したくてもできないのです。
不動産業者や当社のような専門業者に相談することになると思います。その選定こそ、売却できるのか否か、また、早く高く売却できるのかに大きく関わってきます。低コストで解決する最大のポイントは「不動産業者選び」かもしれません。
この記事の監修者
代表取締役 /
宅地建物取引士
CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。共有持分を始めとした相続トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。