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共有持分のメリット・デメリットから売却方法まで解説

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共有持分のメリット・デメリットから売却方法まで解説

共有持分とは?

共有持分とは、一つの不動産を複数人で所有する際の所有権割合のことです。

所有権割合は、不動産購入時の出資額に応じて決まります。この所有権の割合こそが、共有持分なのです。注意したいのはあくまで共有持分は権利の割合であり、実際の不動産における面積などではないということ。権利自体は、割合に関係なく不動産全体に及びます。そのため、不動産を売却するなどといった場合は、所有権を持っている全員の同意を得る必要があるのです。

共有持分の売却に同意は必要?

共有者の同意が必要なケース

先述した通り、共有名義不動産を全体売却するには、共有者全員の同意が必要です。

そのため、図1のように一人でも売却に賛同しない者がいると、売却できないということです。

(図1_共有者全員の同意が必要なケース)

共有者の同意が不要なケース

共有持分では、自分の持分のみを売却する場合は共有者の同意が不要なケースに該当します。

図2のように自己所有分の売却であれば、他の共有者の同意や承諾なく行えます。

(図2_共有者の同意が不要なケース)

ただし、持分のみの売却は通常の不動産売却よりもハードルが高く、希望金額で売れない可能性もある点に留意しておきましょう。

共有持分のメリット・デメリット

共有持分とは、所有権に占める割合のことを指します。ただし、たとえ共有持分が10%であったとしても、不動産全体に対して所有権を持つことは、前述した通りです。ある不動産について共有名義にすることにより、複数人と協力して不動産を購入できることもあるため、予算を超える不動産の購入も視野に入ってくることになるでしょう。

ただし、共有名義にすることは、決して良いことばかり享受できるわけではありません。共有名義にして共有持分を所持しているからこそ起こりうるデメリットがあるのも事実ですので、注意が必要です。

ここでは、共有持分におけるメリットとデメリットについて解説します。共有持分におけるメリットとデメリットをしっかり理解して、共有持分とすることが自分にとって果たして良いのかよく考えてみましょう。

 共有持分のメリット

メリット1 ローンが組みやすくなる

不動産は高い買い物ですから、通常の場合はローンを組んで購入します。ローン審査が通るかは、契約者の収入や資産などにより決定。そのため、ある程度安定した収入がないとローン審査は通りません。

そこで登場するのが、共有名義による購入です。分かりやすい例が、夫婦で家を買う場合。共働きで夫も妻も働いているのであれば、ペアローンなどを活用することで審査が通りやすくなります。

メリット2 相続税の節税になる

不動産の所有権を持つ人が死亡した場合、相続税が発生します。相続税は不動産の評価額に対して計算が行われるのですが、共有名義であれば共有持分の割合が課税対象となるのです。例えば評価額5000万円の不動産を夫婦で50%ずつ共有持分として持っていたとします。このとき夫が死亡すると妻に相続され相続税がかかってきますが、夫の共有持分は50%ですから2500万円が課税対象となるのです。

メリット3 税金の控除が受けられる

確定申告ではいろいろな控除が用意されていますが、注目したいのは住宅ローン控除です。年末の住宅ローン残高から0.7%の金額を控除できるという制度で、例えば共働き夫婦が共有名義で住宅ローンを組んでいれば夫婦の両方が住宅ローン控除を受けられることになります。

また、居住用財産を売却する場合3000万円の控除ができるのもポイント。住宅ローン控除同様、夫婦の共有名義で所持している不動産であれば双方3000万円の控除を受けられるため、合計で6000万円も控除できるわけです。

共有持分のデメリット

デメリット1 自由に売却できない

共有名義の不動産を売却する場合、共有者全員が売却に同意する必要があります。そのため、すぐに手放したいと思っていても、全員の承諾を得られない限り売ることはできません。ただし、自身の共有持分そのものは個人の判断で売却することが可能です。その場合、共有持分に応じた金額になるので、不動産全体を売るよりも低くなってしまうことに注意しなければなりません。

デメリット2 長年経過すると共有者が不明確になる可能性がある

共有名義の不動産を持つ人が死亡した場合、妻や子どもに相続されるのは共有持分になります。例えば、友人同士が共有名義で不動産を購入した場合、最初は連絡こそ取り合えるかもしれませんが、相続が繰り返されることにより、共有者が誰なのかが分からなくなってしまう恐れがあるので注意しなければなりません。共有者と連絡が取れなくなると、デメリット1でご説明したように、売却そのものも難しくなってしまうことも多いのです。

共有持分のトラブル事例

共有名義についてのメリット・デメリットをご紹介しました。共有名義にすることは、価格の高い不動産であってもローンが組みやすくなる可能性があるなど、一見メリットが多いように感じられるかもしれません。

しかし、共有名義人が複数いるということは、所持している不動産に対して人間関係が複雑に絡んでくるかもしれないということでもあります。人間関係が発生してくる以上、何らかのトラブルが絶対に起こらないとは言い切れません。さらに、購入から時間が経っている不動産の場合、権利関係が複雑になってしまうこともあるなど、トラブルの発生する可能性は高くなる可能性があるでしょう。

ここでは、共有持分があることでどのようなトラブルが考えられるのか具体的にご紹介していきます。

共有持分を持つ1人が不動産を利用しているとき

所有権は共有持分を持つ全員が持っているわけですから、そのうちの誰が不動産を使用しても問題はありません。しかし、ほかの共有者に断りなく住み続けている、家賃を支払っていないといったように、ほかの共有者の権利を害するような場合はトラブルになりやすいです。

不動産の利用方法について考えるとき

不動産にはさまざまな利用方法があります。人を住まわせて家賃収入を得たい、別荘として利用したい、売却したいなど、人によって考えは異なるでしょう。ですが共有持分がある場合、その不動産の利用方法を決めるためには共有持分の割合が全体の過半数以上になるように、売却の場合には全員の同意を得なくてはいけません。

例えば、A、B、Cが共有名義で住宅を所持している場合、Aが共有者であるB、Cの同意を得ず住宅を賃貸として第三者に貸し出していたとします。本来同意を得るべきところを無視してAの独断で行っているため、BとCは第三者に退去するように指示できるのです。

例のようなケースでは、Aは第三者から損害賠償を請求される恐れもあります。たとえ解決しても、今後の関係は良くはならないでしょう。

共有持分は相続放棄できる?

家族の死亡により共有持分が相続されることもあるでしょう。相続する側にしてみると、共有持分が相続財産に入っていることを知っているとは限りません。そのため、相続してみてはじめてある不動産について共有持分が存在していることを知る可能性も十分にあります。では、共有持分の相続について、相続放棄はできるのでしょうか。

結論から言うと、共有持分の相続放棄は可能です。ただし、相続放棄を行うことによりさまざまな影響が及ぶことがあり、なかには知らなかったでは済まされないこともあるので注意しなければなりません。

ここでは、共有持分の相続放棄について解説していきます。共有持分の相続放棄を行うことにより、どのような影響があるのかしっかり理解しておきましょう。

関連記事:知らないと損する!共有者の同意なく共有持分を放棄する方法

共有持分の相続放棄とは?

共有持分の相続放棄とは、相続人が自分の意思によって共有持分の相続を辞退することを指します。相続放棄をするためには期間や手続きがあり、以下の点を満たさなければなりません。

  • 相続の発生を知ってから3ヵ月以内であること
  • 必要書類を用意して被相続人の居住地であった家庭裁判所に申し立て

書類を出したあと審査がありますが、審査に問題がなければ相続放棄が完了となります。

共有持分を相続放棄すれば共有持分のある不動産について相続しないことになるので、ほかの共有者とのトラブルが起こる可能性を未然に防ぐことができるでしょう。ただし、注意しなくてはいけないのが、共有持分だけを相続放棄できないということ。つまり、相続放棄を行うと共有持分の相続を放棄できますが、そのほかの貯金などの財産相続も放棄することになってしまうのです。

ただ、財産相続の中には負債といったマイナスの資産も含まれているので、そうした財産がある場合は相続放棄をするのも一つの方法です。

 共有持分を相続放棄するとどうなるのか?

相続放棄すると、すべての財産を相続できなくなるのは前述した通りです。では、共有持分だけに注目した場合はどうなるのでしょうか。

例えば妻と長男、次男を持つAが、とある不動産を友人Bとの共有名義で購入し、それぞれ共有持分を2分の1ずつ持っていたとします。ある日、Aが亡くなり財産相続を行うことになり、その際Aの次男が財産放棄を行った、というケースについて見ていきましょう。

相続人になり得る人がいた場合、相続放棄すると共有持分はほかの相続人に権利が移ります。Aが亡くなった場合、通常であればAの持っていた共有持分から妻は2分の1、長男と次男は4分の1ずつ取得します。しかし、次男が相続放棄をしたので次男は相続の権利がなくなり、相続人は妻と長男の2人になります。結果として、妻は2分の1、長男は2分の1の共有持分を取得するわけです。

不動産を見てみると、共有持分がAは2分の1、Bは2分の1だったのがA妻は4分の1、A長男は4分の1、Bは2分の1になり、共有者が増える形になります。ちなみに、Aにもともと相続人がいなかった、またはAの相続人がすべて相続放棄した場合は、共有者であるBがAの共有持分を取得します。

共有者が増えるとそれだけトラブルが起こりやすくなるため、共有持分の相続は放棄したいと考える方もいるかもしれません。しかし、相続放棄をするとプラスの財産もすべて放棄しなくてはならないので注意が必要です。

共有持分は共有者の同意が不要で売ることができますから、共有持分を手放したいという方は売却も視野に入れてみると良いでしょう。

共有持分を売却する方法

共有持分の売却方法は、以下の4つです。

  • 第三者へ持分を売却する
  • 共有者へ持分を売却する
  • 不動産全体を売却する
  • 分筆して各自の単独所有にする

ここでは、共有持分を第三者に売却する場合にフォーカスして解説します。

関連記事:共有持分をトラブルなく高額売却するためのコツ

共有持分専門業者のちがい

共有持分は第三者に売ることはできますが、所有権はあるものの建物の利用を自由にできないなどの理由から共有持分のみを購入する、という人はほとんど見られません。そのため、個人に共有持分のみ売却することはかなり高難度であると言えるでしょう。

共有持分の購入が敬遠されるのであれば、共有者全員で不動産そのものを売却するといった方法もあります。しかし、全員の同意を得られないといけないほか、相続などで共有者が増えていると全員に連絡すること自体が難しい場合もあるので注意が必要です。

そこで考えられる手段が、業者に依頼して売却する方法となります。業者に依頼する際に知っておきたいのは、買取と仲介の2つの方法があるということです。ここでは、買取と仲介、それぞれの売却方法について解説します。

買取業者

その名の通り、業者に共有持分を買い取ってもらう方法です。提示された価格に売主が納得いけば、売買は成立します。売主と業者のやりとりで完結するので、時間や労力はあまりかかりません。ただし、業者もその後売却などで利益を出すために買い取るわけですから、買取価格は低くなることが多いので注意が必要です。そのため業者の提示価格次第では契約が成立せず、いつまで経っても手放せない可能性があることは理解しておきましょう。

仲介業者

個人から個人への売却方法になりますが、自分に代わって業者に買い手を探してもらう方法です。業者が広告などを出して買い手を探してくれるため、労力が軽減されます。業者に支払うのは、仲介手数料です。そして、売却が成功すると売却代金が売主に入ります。買い手は個人になるので、適切な相手が見つかるまで時間はかかってしまうかもしれません。しかし、売却価格は売主が決められるため、うまくいけば買取よりも高い売却金額になるケースが多いのです。

共有持分売却時の注意点

共有持分を売る際には、以下の点に注意しなければなりません。

残りのローンがないか確認する

ローンを組む際に抵当権などの担保を設定していた場合には、売却時に残りの金額を一括で支払わなくてはいけない可能性があります。売却したのは良いものの、ローンの残金を一括で請求されてしまったといった事態になる可能性も否定できません。こうしたことが起こらないようにするためにも、不動産に対してローンの支払いがまだ残っている場合は、今後どのようにするのか事前に銀行と相談しておくことが大切です。

売却した年の確定申告は必ず行う

共有持分の売却によって得られた代金は、譲渡所得に分類されます。そのため、確定申告で所得を申告する必要があることに注意しなければなりません。申告漏れがあったり、確定申告をそもそもせずにいたりすると、後日税務署の調査が入り、延滞税や無申告加算税など追加で納税を求められるといったペナルティが発生することになります。より多くの税金を払わなくてはいけなくなるので、売却したら忘れずに確定申告を行うことを覚えておきましょう。

関連記事:共有持分の売却時に確定申告は必要?|税理士が徹底解説

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。共有持分を始めとした相続トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。

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