強制買取とは
強制買取とは
![](https://www.c21-motibun.jp/mg/wp-content/uploads/2015/09/27955294_m-768x512.jpg)
各共有者は、その持分に応じて共有物の管理費用を支払い、共有物に関する負担をしなければならない(民法253条1項)
そして共有者が1年以内にこの義務を行わない時には他の共有者は相当な償金を支払ってその者の持分を取得することができます。(同2項)
これは共有物の負担の不払いに対する『強制買取』が可能という制度です。
「強制買取」制度
補足
他の共有者に対して債権を有する共有者は、その特定承継人(共有持ち分を譲り受けた者など)に対してもその権利を行使できる(民法254条)
![共有物の負担→求償→強制買取の例|1.税金(固定指定税など)に関する立替分をAがBに請求→2.1年間、Bが応じない→3.AはBに、B持分に相当する評価額を支払う(適正な評価額)→B持分を買い取る旨の通知をする(内容証明郵便にて)の図](https://www.c21-motibun.jp/mg/wp-content/uploads/2021/03/e4rtff0t3we8-48t35xrgg1wgf1my0b1.jpg)
本来負担するはずの、費用を支払わないような者と一緒に物を共有しているというのは、いい気分ではありません。そこで用いるのが上記の『強制買取』制度ですが、負担の不払いによる強制買取の制度はあまり知られていないのが現状です。
- 公平・中立な評価方法による算定が望まれることから、不動産鑑定士の鑑定評価がよく用いられます。
「兄貴(長男)は住んでいるくせに税金も払わないなら、俺(弟)が兄貴の持分を強制的に取得する!」実務上、負担不履行による持分取得ですね。
ポイント
- 『1年後』の起算点
- 適正な買取評価額
- 確実な意思表示(内容証明)
![](https://www.c21-motibun.jp/mg/wp-content/uploads/2023/12/cta20231219.png)
この記事の監修者
弁護士
弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で共有物分割や遺留分侵害額請求など相続で発生しがちな不動産のトラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。