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【弁護士Q&A】知らない人と共有状態の不動産について相談です|弁護士Q&A

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【弁護士Q&A】知らない人と共有状態の不動産について相談です

15年以上前に父が他界し、遺産を相続しました。今年、突然知らない人から父親の共有持分で、自分と他の相続人が共有になってる不動産があると知らされました。この共有持分は相続したくないのですが、どうすればいいのでしょうか?

被相続人が、ある不動産について共有持分を有していて、かつ、遺言で特段その相続人を指定していなかった場合は、相続開始の時点で、その共有持分は、直ちに全ての法定相続人による遺産共有の状態となり、共有持分割合は法定相続分の割合に従います。

例えば、お父様のもともとの共有持分が3分の1で、ご相談者様の法定相続分が4分の1だった場合は、ご相談者様が12分の1の共有持分を取得することになります。

共有持分権者について相続が発生すると、共有持分がさらに細分化され、共有者の数が増えることで、不動産全体の管理や利用にも支障がでかねません。にもかかわらず、共有者として、税金等のコストの分担は求められることになります。

このような背景もあり、そんな面倒な不動産の共有持分は相続したくない、と考えられる相続人は珍しくありません。

ただ、相続しない、というと、まず相続放棄を考えられる方が多いかと思いますが、相続放棄をする場合は、特定の財産のみならず、全ての相続財産について相続を放棄することになります。

今回問題となっている共有持分以外の相続財産を含めて、特に相続する必要がないということであれば、相続放棄の期限内に相続放棄をしてしまうのが簡便です。

他方、既に相続放棄の期限を過ぎている場合や、共有持分以外の相続財産の中に積極的に相続を希望する財産がある場合には、相続放棄という手段は取れません。この場合に、共有不動産を相続しないためには、全相続人の間で、ご相談者様以外の相続人が共有持分を相続する内容の遺産分割協議を行なうことが必要です。

しかし、同じことを他の相続人の方も考えている場合は、共有持分の押し付け合いになって、結局いつまでも遺産分割協議がまとまらないことになります。

そこで、考えられるのは、全ての相続人が共同して、もともとお父様と不動産を共有していた人(今回連絡をくれた人)に、相続した共有持分全てを売却するという方法です。これにより、ご相談者様を含め相続人の皆様は共有関係から解放されますし、持分を譲り受ける側も、単独での不動産の使用・処分が可能となりますので、メリットが大きいと言えます。

まとめ

  • 相続放棄の場合は、特定の財産のみならず、全ての相続財産を放棄することになります。
  • 特定の相続人が共有持分を相続する内容での遺産分割協議が難航する場合は、全ての相続人が協力して、相続した共有持分を売却することも検討するべきです。

この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する相続人への支援を担当。これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた相続のプロフェッショナル。

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