地目変更が必要な売買取引|トラブル事例|相続

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地目変更が必要な売買取引

共有持分アドバイザー金本が担当しました「事例でわかる共有持分」として、福岡県北九州市の一軒家共有持分をお持ちのU様の相談内容および解決内容をご紹介します。

ご相談内容

数年前に母が亡くなり、兄と共に相続をうけ、誰も住まない一軒家なので取り壊しを行いました。現在は、更地であり、私の共有持分だけを売却することは可能ですか?兄は売るつもりがなく、私と兄との仲は悪い状況です。

ひとつお聞きしたいのは以前、不動産会社に相談したところ、登記簿の地目は田になっており、農地法により田では売買ができないとのことですが本当ですか?

ポイント

  • 兄の協力を得て農地転用が可能か。
  • 自宅は20年以上経過していたか。

解決までの流れ

残りの共有名義の方の協力なく農地転用はできません。農地転用の許可が出なければ、農業を生業としないお客様との売買はできません。しかし、20年以上宅地で使用していたとの公的な証明があれば、農地転用以外の方法で登記簿上の地目を宅地に変更することが可能です。

その証明とは「非農地証明」と言われるものです。これは、市や都道府県の農業委員会に申請を行い、証明書を発行してもらうものです。北九州市の場合は登記簿に記載している共有者のいずれか一人で申請を行うことができるとのことで、兄の協力なく地目の変更が可能と判明しました。

農地|・共有者との協力なしに農地転用はできない、・宅地に変更する場合は共有者の協力なしに行える→地目変更→宅地|・共有者との協力なしに持分の売却可能

早速、建物の閉鎖謄本を取り寄せ、20年以上前に建物が建っていたことの確認を行い、農業委員会に非農地証明願いの申請を行い、無事に発行され地目変更手続きを行うことができました。

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。共有持分を始めとした相続トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。

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