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【弁護士Q&A】認知症の場合の不動産名義について相談です|弁護士Q&A

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【弁護士Q&A】認知症の場合の不動産名義について相談です

共有者が認知症の場合について教えてください。
父親3/5、母親2/5の共有持分の家を売却したいと考えています。ローンは完済しています。
母親が認知症になってしまい家を売却して老人ホームに入る予定なのですが、名義人が認知症だと売却できないと聞きました。そこで、持分を解消し父親の名義のみに変更したいのですが、どのような手続きを取ればいいのでしょうか?

共有状態を解消してお父様の単独所有とするには、お母様の共有持分をお父様に譲渡する必要があります。持分譲渡は、無償であれば贈与、有償であれば売買ということになりますが、いずれにせよ、お父様とお母様の契約に基づき譲渡を行なうことになります。

ところが、有効に契約等の法律行為を行なうには、その前提として、その意思表示をした人が意思能力(法律行為の法的な意味や結果を弁識する能力)を備えている必要があり、意思能力がない状態で行なった契約は無効となります(民法3条の2)。

認知症の方は、この意思能力に問題があり、意思能力のない状態で行った契約と判断されれば、後から契約自体が無効となるリスクがあります。このリスクを特に問題にするのは、お母様からお父様への持分譲渡後に、お父様から不動産全体の購入を検討する人です。購入者からすれば、意思無能力を理由にお母様からお父様への持分譲渡が無効になってしまえば、計画していた不動産全体の取得が不可能になってしまいます。また、そうなれば、お父様が購入者より売主としての責任を問われる事態となります。

ただ、意思能力の有無自体は、あくまで個々の法律行為と行為者ごとに個別具体的に判断されるものであるところ、一回一回その判断を行なわないと契約が出来ないというのは不都合です。そこで、民法では、認知症等のため本人の事理弁識能力(物事を判断する能力)が十分でない場合に、家庭裁判所が画一的な基準で事理弁識能力が低下していることを認定し、本人を制限行為能力者として扱い、定型的に法律行為に制限を加える制度(法定後見制度)を設けています。

認知症が原因で事理弁識能力を常に欠く状況にある場合については、家庭裁判所が後見開始の審判を行ない(民法7条・838条2号)、本人(成年被後見人)のため成年後見人を選任し(民法8条・843条1項)、成年後見人が本人の法定代理人として契約を行なうこととなります。

本件の場合も、まず、お母様の成年後見人を選任し、その選任された成年後見人とお父様の間で、お母様の持分の譲渡契約を行なうことになります。

まとめ

  • 認知症が原因で常に意思能力を欠く人が契約を行なうためには、成年後見人を選任してもらう必要があります。

この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する人への支援を担当しており、これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた経験がある。
相談者の立場に立ち、不利な点も含め、必要な事実を正確に説明する高いプロ意識に定評がある。

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