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【弁護士Q&A】未登記の共有持分の不動産を売却したいです。

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コンテンツ番号:13355

【弁護士Q&A】未登記の共有持分の不動産を売却したいです。

質問 祖母の名義のままで放置している、共有持分の家があります。 この度、共有不動産の買取業者に、私の持分を売買する方向で話が進んでいます。 未登記の不動産は、書類に特記事項をつければ所有者変更の届出を出せると言われたのですが、公に私のものではない家を売却できるのでしょうか? 実際は土地のみ買い取られ、建物は売却できず残ってしまうのではないかと心配です。

まず、亡祖母(以下、被相続人と言います)の名義のまま登記されている不動産であっても、その所有権は、実体的には、相続を原因として、被相続人から相続人へ承継されています。
よって、被相続人名義の不動産の現在の所有者は、その相続人であり、相続人が複数であれば、相続人達で不動産を共有している状態にあります。不動産の所有権は、当事者の意思表示のみによって、移転の効力が生じるとされています(民法176条)ので、売買契約の当事者間では、契約の時点で、売主から買主に所有権が移ることになります。
但し、不動産に関する所有権の移転に関しては、登記をしなければ第三者に対抗出来ないとされています(民法177条)。『対抗出来ない』とは、自分が権利を取得したことを主張できない、という意味です。また、ここでいう『第三者』は、契約当事者(及びその相続人等)以外の第三者を意味します。買う側からすると、売買契約自体は未登記でも出来るとはいえ、取得した権利を第三者に対抗できない不安定な状態のままでは困りますから、売主側で所有権が登記された(今回の場合は相続の登記がされた)不動産について、買主が所有権移転登記を受けることが目標になります。
今回、未だ被相続人名義で放置されているということは、恐らく相続人間での遺産分割協議がされていない状態かと推測します。そうすると、他の相続人の了解なしに、相続の登記をしたり、自分の持分を第三者に売ったりすることが出来るのか、という心配があるかもしれません。しかし、相続した不動産に関して、民法の法定相続分通りの内容で相続登記を申請することは、共有不動産に関する保存行為として、1人の相続人が単独で(他の相続人の意向に関係なく)行なうことが出来ます。そして、その相続登記された法定相続分の範囲内であれば、やはり単独で、持分を第三者に売却することが可能です。
なお、建物は、土地に定着しているものの、土地と同様に登記の対象とされており、土地とは独立した不動産と位置付けられていますので、建物の売買をしても、それにより土地の売買を勝手に進めることは出来ません。

まとめ

  • 不動産の所有権の取得や移転自体は登記がなくても可能ですが、所有権の存在を第三者に対抗するには登記が必要です。

  • 法定相続分に従った相続登記は、保存行為に当たり、相続人の1人が単独で申請できます。

  • 土地と建物は独立した不動産です。

この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する人への支援を担当しており、これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた経験がある。
相談者の立場に立ち、不利な点も含め、必要な事実を正確に説明する高いプロ意識に定評がある。

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