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共有持分の交換で問題解決した事例|弁護士Q&A

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共有持分の交換で問題解決した事例

ご相談内容

AB兄弟は甲土地と乙マンションを共有しています。Aはとある事情で、乙マンションから出ていくことを考え、自己の所有する甲土地と乙マンションの共有持分を整理しようと考えています。Bに買い取ってもらえればよいのですが、なかなか懐事情は厳しいようです。かといって、見知らぬ第三者に売るのも前向きにはなれません。

何か良い解決方法はありますか?

なおAとBの共有持ち分比率は、A:B=3:7(甲土地、乙マンションともに同割合)

ご相談のポイント

  • 共有持分の交換という方法
  • 100%所有権化する交換
  • 等価での交換

①共有持分の交換という方法

ご相談内容にある、Aの持分をBに買い取って貰うという方法と、Aの持分を第三者に売却するという方法以外で、共有関係の整理としてまず考えられるのは、Bと一緒に全体売却するという方法ですが、あくまでBが不動産の維持を希望する場合には、この方法も使えません。

その場合、不動産を残しつつ共有関係を整理する選択肢として、共有持分の交換という方法が考えられます。

②100%所有権化する交換

共有関係を抜本的に整理したいのであれば、100%所有権化する交換が望ましいです。

本件における100%所有権化する交換とは、交換の結果、甲土地と乙マンションをいずれも単独所有の物件とするものです。

ご相談の内容からは断定できないところですが、もし、甲土地が乙マンションの敷地であるということであれば、100%所有権化する交換により、甲土地と乙マンションの権利関係を、AB間の単純な借地契約に落とし込むことができます。

本件で100%所有権化する交換の方法として考えられるのは、(1)甲土地をAの単独所有にし、乙マンションをBの単独所有とする交換=Aの乙マンションの持分10分の3とBの甲土地の持分10分の7を交換する、もしくは、(2)甲土地をBの単独所有にし、乙マンションをAの単独所有にする=Aの甲土地の持分10分の3とBの乙マンションの持分10分の7を交換する、のいずれかになります。

但し、いずれの場合も、交換対象となる共有持分の価値が不均衡であるため、価値の差額を償金の支払いで調整する必要が生じます。

双方の持分割合を考えると、AからBに差額の償金を支払う必要が生じることになるかと思われますが、相当高額な負担になることが予想されます。

③等価での交換

交換は実施したいけれど、差額の償金の支払いの負担は避けたいという場合は、交換対象の価値が等しくなる範囲で交換する(等価での交換)という方法が考えられます。

例えば、本件において、仮に、乙マンションの持分10分の3の価値が、甲土地の持分の10の2の価値と等しい場合には、Aの乙マンションの持分10分の3と、Bの甲土地の持分のうち10分の2を交換する、という形で交換を行なえば、AB間での差額の償金支払いは発生しません。

但し、この場合、交換後の権利関係は、乙マンションはBの単独所有となるものの、甲土地については、持分割合が変わっただけで、依然としてABの共有状態が続くことになり、甲土地に関する共有者としての様々な負担・制約がAに残ってしまうというデメリットがあります。

まとめ

不動産を残しつつ共有関係を残しつつ共有関係を整理する方法の1つとして、共有者間での共有持分の交換という方法が考えられます。

100%所有権化する交換は、共有関係を抜本的に解消できる点がメリットですが、交換対象の価値の不均衡が大きい場合には、償金の支払いの負担が重くなる点がデメリットです。

他方、等価での交換は、償金の支払いの負担が生じない点はメリットですが、交換実施後も一部で共有関係が続いてしまう点でデメリットがあります。

この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する相続人への支援を担当。これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた相続のプロフェッショナル。

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