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相続の放棄をした者による管理(民法940条)|弁護士Q&A

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相続の放棄をした者による管理(民法940条)

質問相続の放棄をした者による相続財産の管理義務があると聞いたのですが、どのようなことでしょうか?

解説

民法915条:「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」

とあり、相続放棄をすることは自由にできます。また、相続放棄をすると、

民法939条:「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」

とあります。「相続放棄をしたのだから、相続財産に対する管理責任からも解放されるだろう。もう関係ない。」と考えてしまう方もいると思います。相続放棄したからといって相続財産の管理責任から解放されるわけではありません。

民法940条:「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」

とあります。つまり相続放棄をした者は、次の管理者が現れるまでは相続財産の管理義務を続けなければなりません。例えば、家屋が老朽化して倒壊する危険があれば補強工事をするひつようもありますし、雑草が生えてきてしまってという場合には除草しなければならないということです。

老朽化した家屋のイメージ

この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。共有物分割訴訟、遺産分割調停、遺留分侵害額請求など共有持分をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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