共有持分の放棄にかかる費用は?放棄者・取得者の内訳と注意点を解説
目次
「共有持分を放棄して、共有関係から抜け出したい」と考えたとき、気になるのが費用の問題です。
自分の持分を手放すだけなので費用はかからないと思われがちですが、実際には登記費用や税金で数十万円単位の出費が必要になることもあります。
また、持分を受け取る「他の共有者」にも多額の税金がかかる点には注意が必要です。
本記事では、共有持分放棄にかかる費用の内訳や手続きの流れ、トラブル回避のポイントを解説します。
持分放棄費用に関する基本
共有持分を放棄する場合、まずは費用の全体像を把握しておくことが大切です。
一般的に、「放棄する側」よりも「取得する側(持分を受け取る他の共有者)」の金銭的負担が大きくなる傾向があります。
「取得する側(他の共有者)」の負担が大きくなるのが一般的
持分放棄が行われると、その持分は他の共有者に帰属します。
つまり、他の共有者は自分の持分が増え、資産価値が上がることになります。
これに伴い、不動産を新たに取得したとみなされ、登録免許税や不動産取得税、さらに高額になりやすい「贈与税」が課せられます。
一方、放棄する側は資産を手放すため譲渡所得税などは発生せず、手続きの実費や専門家報酬が主な費用となります。
費用の負担割合は当事者間の話し合いで決めることも可能
法律上、「登記費用は誰が負担すべき」という明確な規定はありません。
原則は権利者(取得者)と義務者(放棄者)の共同負担ですが、話し合いで自由に決められます。
「持分をもらうのだから全額負担してほしい」といった交渉も可能です。
トラブル防止のため、負担区分は事前に話し合い、書面に残しておきましょう。
【放棄する人】にかかる費用・税金の内訳
共有持分を「放棄する人」にかかる費用としては、以下のものがあります。
- 登記識別情報などの必要書類取得費
- 登記原因証明情報(契約書)の印紙代
- 司法書士への依頼報酬
- 弁護士などの専門家相談料
費用①:登記識別情報などの必要書類取得費
登記手続きには、現在の権利関係を証明するための書類が必要です。
具体的には、以下のような書類を取得する費用がかかります。
- 登記事項証明書(登記簿謄本):数百円(法務局)
- 印鑑証明書:数百円(市区町村役場)
- 固定資産評価証明書:数百円(都税事務所や市区町村役場)
費用②:登記原因証明情報(契約書)の印紙代
放棄を原因とする登記の際、放棄証書などを作成しますが、これに収入印紙は不要です。
「放棄」は単独行為であり、課税文書には該当しないためです。
ただし、形式として「贈与契約書」を作成する場合などは、記載金額に応じた印紙税(200円~)が必要になることがあります。
費用③:司法書士への依頼報酬
登記申請は複雑なため、司法書士への依頼が一般的です。
報酬相場は5万円〜10万円程度です。
放棄を希望する側が依頼主となることが多く、その場合は放棄者の負担となります。
費用④:弁護士などの専門家相談料
話し合いがまとまらない場合、弁護士相談が必要です。
相場は30分〜1時間で5,000円〜1万円程度です。
なお、センチュリー21中央プロパティーには豊富な実績を持つ社内弁護士が常駐しており、法的な観点からの的確なアドバイスが可能です。
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【取得する人】にかかる費用・税金の内訳
共有持分の納期に際して、持分を「取得する人」にかかる費用・税金としては、以下のものがあります。
- 登録免許税(登記手続き時)
- みなし贈与として課税される「贈与税」
- 不動産取得税
- 固定資産税の精算金
税負担が大きく、数百万円規模になることもあるため注意が必要です。
費用①:登録免許税(登記手続き時)
名義変更(所有権移転登記)の際に納める税金です。
放棄による移転登記の税率は、固定資産税評価額の2.0%です。
| 登録免許税 = 放棄する持分の固定資産税評価額 × 2.0% |
例えば、土地・建物の評価額全体が3,000万円で、持分1/2(1,500万円分)を放棄する場合、登録免許税は30万円となります。
費用②:みなし贈与として課税される「贈与税」
最も注意すべき税金です。
無償で持分を受け取ると「贈与」とみなされ、基礎控除(年110万円)を超えた分に贈与税が課税されます。
| (評価額 - 110万円) × 税率 - 控除額 = 贈与税額 |
もし持分の評価額が1,000万円であれば、約170万円~230万円程度の贈与税が発生する可能性があります。
「タダでもらえるならラッキー」と安易に考えると、後で高額な納税通知に苦しむことになります。
共有持分の評価は複雑ですが、センチュリー21中央プロパティーの無料査定なら、24時間以内に適正な査定額が分かります。
費用③:不動産取得税
不動産取得に対して都道府県から課される地方税です。
共有持分の放棄による取得であっても、原則として課税対象となります。
税率は原則4%ですが、土地や住宅用家屋については軽減措置(3%など)が適用される場合があります。
費用④:固定資産税の精算金
固定資産税は1月1日時点の所有者に課税されます。
年の途中で持分が移転した場合、未経過分を日割り計算し、取得者から放棄者へ「精算金」として支払うのが一般的です。
そもそも「共有持分の放棄」とは?
「共有持分の放棄」という言葉はよく聞きますが、法的にはどのような手続きなのでしょうか。
民法第255条には、「共有者の一人が、その持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に帰属する」と定められています。
放棄の意思表示は単独で可能だが登記は「共同申請」が原則
放棄自体は本人の意思表示のみで成立する単独行為です。
しかし、名義変更(登記)には、権利者(他の共有者)と義務者(放棄者)の共同申請が必要です。
つまり、相手が協力しない限り、完全な放棄(名義変更)は完了しません。
放棄された持分は他の共有者に帰属する
放棄された持分は、他の共有者にそれぞれの持分割合に応じて分配されます。
特定の誰かだけに譲りたい場合は、「放棄」ではなく「贈与」や「売却」の手続きが必要です。
共有持分放棄の手続きの流れ
共有持分放棄の手続きの一般的な流れは、以下の通りです。
- 意思決定・通知:他の共有者へ意思を伝えます。
- 話し合い:費用負担や日程を調整します。
- 書類作成:放棄証書などを作成し、実印を押印します。
- 登記申請:法務局へ提出します(司法書士推奨)。
- 完了:新しい登記識別情報通知が発行されます。
登記申請に必要な書類
登記申請時には、主に以下の書類が必要です。
- 登記申請書
- 登記原因証明情報(放棄証書等)
- 放棄する人の登記識別情報(権利証)
- 放棄する人の印鑑証明書(3ヶ月以内)
- 固定資産評価証明書
- 取得する人の住民票
- 委任状(司法書士用)
他の共有者が放棄に協力しない場合は「登記引取請求訴訟」が必要
前述の通り、登記手続きには相手の協力が不可欠です。
しかし、「贈与税がかかるから受け取りたくない」「関わりたくない」といった理由で、他の共有者が協力を拒否するケースがあります。
その場合、最終手段として裁判所へ訴訟を起こすことになります。
相手が応じない場合に起こす「登記引取請求訴訟」とは
「放棄した持分の登記を引き取ってください」と請求する訴訟です。
勝訴すれば、相手の協力なしに単独で登記申請が可能になります(判決による登記)。
訴訟にかかる費用の目安(弁護士費用・裁判費用)
弁護士費用(着手金・報酬金)で50万円〜100万円以上かかることがあります。
また、解決までに半年〜1年以上の期間を要することもあります。
強制的に放棄させても税金トラブルのリスクが残る
訴訟で勝って無理やり名義を変えたとしても、それで全て解決するとは限りません。
名義が変われば、相手には贈与税や不動産取得税の納税通知が届きます。
「勝手に名義を変えられたせいで税金を払わされた」として、相手から損害賠償請求をされたり、人間関係がさらに悪化したりするリスクが残ります。
その点、センチュリー21中央プロパティーには4万件以上の持分トラブルを解決した実績があり、業界でも随一のノウハウを誇るため、訴訟リスクを避けた円満な解決策もご提案可能です。
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共有持分を放棄する際の3つの注意点
共有持分放棄する際は、以下の点に注意しましょう。
- 相続放棄とは異なり「最初からいなかったこと」にはならない
- 名義変更が完了するまで固定資産税の納税義務は続く
- 贈与税を結果的に「放棄する人」が負担するケースもある
注意点①:相続放棄とは異なり「最初からいなかったこと」にはならない
「相続放棄」は、家庭裁判所で手続きすることで、初めから相続人ではなかったことになり、プラスの財産もマイナスの財産(借金など)も一切引き継ぎません。
一方、「共有持分の放棄」は、既に取得してしまった不動産の持分を手放す行為です。
過去に遡って関係を断ち切るわけではないため、例えばその不動産に設定されている抵当権などの債務まで消えるわけではありません。
注意点②:名義変更が完了するまで固定資産税の納税義務は続く
法的には「放棄の意思表示」をした時点で所有権は相手に移転するため、実質的な納税義務はなくなります。
しかし、役所はあくまで「登記簿上の名義人」を所有者とみなして課税を行います(台帳課税主義)。
そのため、いくら放棄の意思を示しても、登記上の名義変更(所有権移転登記)を完了させない限り、役所にはその主張が通らず、あなた宛に納税通知書が届き続けることになります。
注意点③:贈与税を結果的に「放棄する人」が負担するケースもある
贈与税は原則として「受け取った人」が払う税金です。
しかし、贈与税には「連帯納付義務」という規定があります。
もし、取得した相手が贈与税を支払わなかった場合、贈与した側(放棄した人)に税務署から支払いの督促が来ることがあるのです。
相手に資力がない場合、放棄したにも関わらず高額な税金を肩代わりさせられるリスクがあることを覚えておきましょう。
費用や手間を抑えるなら「放棄」以外の選択肢も検討する
持分の放棄は、相手への税負担や協力の必要性など、ハードルが高いのが現実です。
費用や手間を抑えて共有関係から抜け出すには、以下の選択肢も検討してみましょう。
- 有償で譲る「売却(親族間売買)」なら贈与税を回避しやすい
- 共有持分専門の仲介業者なら「費用ゼロ」で現金化できる
選択肢①:有償で譲る「売却(親族間売買)」なら贈与税を回避しやすい
適正な価格で相手に「売却」すれば、贈与税は発生しません。
また、低額譲渡(著しく低い価格での売買)とならないよう注意すれば、売買代金という形でお金も手に入ります。
ただし、相手に購入資金と購入の意思が必要です。
選択肢②:共有持分専門の仲介業者なら「費用ゼロ」で現金化できる
他の共有者との話し合いが困難な場合は第三者への売却が有効ですが、安く買い叩きトラブルも多い「買取業者」には注意が必要です。
対して「専門仲介業者」なら、市場価格に近い高値売却が期待できます。
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まとめ
共有持分の放棄は、自分だけでなく相手にも大きな費用負担を強いる可能性がある手続きです。
特に、贈与税や登録免許税などの税金コストは無視できません。
また、登記には相手の協力が不可欠であり、関係性がこじれている場合は訴訟に発展するリスクもあります。
スムーズかつ低コストで共有関係を解消したいのであれば、「放棄」にこだわらず、専門業者への「売却」も視野に入れてみてください。
センチュリー21中央プロパティーでは、共有持分の売却やトラブル解決に関して、以下の強みを持っています。
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共有持分放棄の費用に関してよくある質問
共有持分放棄の費用に関してよくある質問と、その回答をいくつかご紹介します。
Q1.持分放棄をする際の登記費用は、誰が負担すべきという決まりはありますか?
A.法律上の決まりはありませんが、取得者が負担するのが一般的です。
権利を得る(持分が増える)側が負担するケースが多いですが、話し合いで折半にしたり、放棄を希望する側が全額負担したりすることも可能です。
Q2.自分で登記申請を行えば費用は節約できますか?
A.司法書士報酬は節約できますが、推奨はしません。
自分で手続きを行えば実費のみで済みますが、登記申請書の作成や必要書類の収集は複雑で、ミスがあると法務局で受理されません。
また、共有者間での書類のやり取りも発生するため、確実に行うなら司法書士へ依頼するのが無難です。
Q3.持分放棄をしたら、いつから税金を払わなくて済みますか?
A.法的には「意思表示」の時点からですが、登記をしないと請求書は届き続けます。
法律上、放棄の意思を示せば所有権は移転し、本来の納税義務はなくなります。
しかし、登記名義を変えない限り、役所はあなたを所有者とみなして課税し続けます(台帳課税主義)。
「義務はないのに請求が来る」というトラブルを避けるため、速やかに登記を済ませましょう。
なお、放棄した年の分については、当事者間で日割り精算するのが一般的です。
Q4.共有持分を放棄するのに相手の同意は必要ですか?
A.意思表示は単独で可能ですが、登記には協力が必要です。
「放棄します」と伝えること自体は単独でできますが、名義変更(登記)を完了させるには、相手の実印や印鑑証明書が必要です。
相手が同意せず協力してくれない場合は、そのままでは登記ができず、法的な所有権移転が完了しません。

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この記事の監修者
弁護士
エルピス総合法律事務所 代表弁護士/宅地建物取引士
東京大学法学部を卒業後、20年以上にわたり不動産法務の最前線で活躍する不動産トラブル解決のスペシャリスト。東京弁護士会に所属し、弁護士資格に加え宅地建物取引士の資格も有することで、法律と不動産実務の両面から深い専門知識と豊富な経験を持つ。
特に共有不動産における紛争解決においては、業界屈指の実績を誇り、共有物分割訴訟、遺産分割調停、遺留分侵害額請求など、複雑な案件を数多く解決に導いてきた。相続や離婚による共有名義不動産のトラブル解決に従事してきた。
著書に「事例でわかる 大家さん・不動産屋さんのための改正民法の実務Q&A」がある。メディア出演やセミナー登壇実績も多数。