共同名義の不動産を勝手に売却された|トラブル事例
共同名義の不動産を勝手に売却された
ご相談内容
母が9年前に亡くなり兄弟3人の共同名義になっている空家の一軒家があります。 弟二人が勝手に地元の不動産屋にお願いして売りに出してしまいました。 売出し価格の相談など私に何の連絡もなく。 昔からわがままな弟ですが、勝手に売られるのは納得いきませんし、共同名義のみんなが同意していなくても売却可能なのでしょうか? 私は金銭の対価を弟二人に支払い、兄弟の共同名義を一つに纏めて、娘夫婦に住ませたい意向があります。 兄弟なので複雑な感情がお互いにあり、とても話がまとまりません。 何か良いアドバイスを頂けますか? またこのような場合、皆さんはどのように解決しているのでしょうか?
ポイント
- 兄弟3人の共同名義(本人は長男)
- 弟二人が何の相談もなく共同名義の不動産を売りに出している。
- 本人は手放すことなく適正価格で弟二人の共同名義を買い受け、娘夫婦に住ませたい。
本人の選択肢
- □ やむを得ず弟たち主導の売却に応じる
- □ 断固、売却に応じない
適正価格にて弟二人の共同名義を買い受ける。
- □ 自分の持分名義だけを売却する。
シュミレーションの考え方
- □ いずれにせよ本人の承諾なしに売却は不可
- □ 売却反対の意思表示を明確にする(弟二人に対して)
適正価格を不動産鑑定士に鑑定して算出する(価格賠償=代償分割)
- □ 1~3が纏まらなければ自己持分の売却のみ実行する
解決までの流れ
まずは“共同名義の全員が同意”しない限り、全体の不動産としては売却不可です。 今回、本人の第一希望である3番のシュミレーションでトライしました。 弟二人の各共同名義の買い受け価格を、不動産鑑定士に依頼して算出してもらい、弊社が代理で弟二人と面談して、本人の意向を伝えた上で買い取り価格も提示しました。 弟二人は“もっと高く買い取ってくれ”とまったく譲歩する気配がありません。
共有持分の当事者間売買の場合、売主と買主の思惑は相反するので共有者同士の話を纏めることは非常に困難です。親族間の微妙な関係性や、過去の出来事による遺恨などが一気に噴き出したり、金銭問題が絡むと、なおさら避けて通れないところです。
結果、本人が弟二人に鑑定価格以上の金額を支払うことによって二人の名義を一つに纏めて、娘夫婦に住ますことができました。いわゆる全面的価格賠償による解決です。
今回は非常にまれなケースと言えます。と言いますのも、本来の適正価格よりも高い金額を本人が弟二人に払ったことによって買い取ることが出来たわけですから。
本人も両親と暮らした“思い入れのある家”だったので、弟二人の言い値にも応じる形になったのでしょう。 禍根を残さずに解決するのも容易ではありませんが、共同名義の不動産は出来るだけ早く共有者間で解決するか、いち早く離脱を試みて売却へとシフトすることが大切と思います。
まずは安心できる持分売却の専門家に相談してください!
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お問い合わせでは、「相続した共同名義の不動産で親族でもめている」「離婚したので共有名義の不動産を売却したい」等の共有持分と関連した相談を毎日いただいております。 共有名義・共同名義の不動産は、共有者の同意なしに売却できます。
ただし売却するには経験豊富な不動産会社に依頼する必要があります。相談は無料です。まずはお気軽にお電話ください。ご相談者様のお時間、要望に沿って打ち合わせはさせていただきます。 また「親族に内緒で売却したい」「早く現金化したい」といったご要望もぜひお聞かせください。
この記事の監修者
代表取締役 /
宅地建物取引士
CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。共有持分を始めとした相続トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。