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共有持分の分割と所得税|弁護士Q&A

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共有持分の分割と所得税

質問共有物分割した場合、所得税との関係は?

「共有物の分割は、共有者相互間において、共有物の各部につき、その有する持分の交換又は売買が行なわれることであつて(民法二四九条、二六一条参照)、所論のごとく、各共有者がその取得部分について単独所有権を原始的に取得するものではない。」♦参考判例【最判昭42年8月25日】

原始的に取得:新しい所有権の発生の意味

原始取得であれば、譲渡等には当たらず、所得税の対象にはならないと考えられます。
しかし、判例は原始取得ではないとしているため、共有の土地を、それぞれの持分に従って現物分割した場合、その譲渡による利益について所得税が課税される可能性が考えられます。

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一方で、共有関係にある一の資産を現物で分割するということは、その資産の全体に及んでいた共有持分権が、その資産の一部(現物分割で取得した部分)に集約されただけにすぎないということもできます。そこで、国税庁はこんな通達を出しています。

所得税基本通達(所基通)33-1の6

「個人が他の者と土地を共有している場合において、その共有に係る一の土地についてその持分に応ずる現物分割があったときには、その分割による土地の譲渡はなかったものとして取り扱う。」

譲渡に当たらない結果、所得税の譲渡所得の課税関係を生じせないこととして取扱うこととしています。

夫婦で相談をしているイメージ

この記事の監修者

山口 義重ヤマグチ ヨシシゲ

税理士

税理士。東京都出身。中央大学法学部を卒業し、ワールド法律会計事務所代表。共有持分の相続案件で多く相談される相続税が得意分野だが、生前贈与や、親族間の不動産売買等相続対策にも豊富な経験・実績のあるスペシャリスト。

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