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【弁護士Q&A】固定資産税を払いたくないので放棄するか迷っています。

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【弁護士Q&A】固定資産税を払いたくないので放棄するか迷っています。

【解説】共有持分の固定資産税は代表者がまとめて納めます【節税】

共有持分の放棄について教えてください。 私の母親と叔父(母の兄)が土地を共有で所有しています。 現在、叔父(母の兄)が海外に住んでいる関係で、母親が固定資産税を1人で払っており、母親は放棄を考えている状態です。税金を払わなくていいようにするには放棄するしかないのでしょうか?

お母様が、叔父様と共有している土地の放棄を考えているとのことですが、法律上の『放棄』は、共有持分の放棄(民法255条)を意味します。お母様が共有持分を放棄すると、放棄した持分は、全て、もう1人の共有者である叔父様のものとなります。
この場合、持分を放棄すること自体に叔父様の同意は必要なく、お母様のみの意思で放棄可能です。但し、放棄した事実を土地の登記に載せて証明するためには、叔父様と共同で登記申請する必要があります。現在、叔父様は海外在住とのことなので、普段の交流が疎遠なようであれば、連絡を取ったり、必要書類を準備してもらうだけでも一苦労です。さらに、叔父様が登記に非協力的なときは、叔父様を相手に裁判する必要がありますが、海外在住の人相手の裁判もハードルが高いです。
これに対して、お母様が持っている土地の持分を売却という形で手放す方法が考えられます。この場合、持分の売却にあたり叔父様の同意を得ることは必要ありません。また、前述の放棄とは異なり、持分を譲り受けた人から、売買代金を受け取ることも出来ます。もっとも、土地の持分のみの売却となると、土地を単独で所有している場合と比べて、個人の方では、買い手を見つけてくることや、買い手と契約条件の交渉を行なうことには多くの困難を伴います。
そこで、持分売却に当たっては、不動産業者に依頼することが現実的な選択肢になります。但し、不動産業者であっても、持分売買の取扱いに慣れていない業者も少なくありません。不動産業者をお選びの際は、持分売買の経験がどれだけあるかや、弁護士や不動産鑑定士、司法書士など、関連士業との提携・バックアップの体制が整っているか等の観点からのチェックが有益です。 

まとめ

  • 方法としては、持分の放棄の他、持分の売却が考えられます。
  • 放棄自体は単独で可能ですが、放棄の事実を登記するには、他の相続人との共同申請が必要です。
  • 持分を手放すことについての金銭的な見返りの有無の点で、放棄と売却には違いがあります。

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この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する相続人への支援を担当。これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた相続のプロフェッショナル。

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