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共有持分とは?

「共有」とは1つの物の所有権を複数の人が持っていることをいい、「共有持分」とは各共有者が持つ所有権の割合のことをいいます。
共有持分のことを「複数の人が一つの不動産を共同で所有している」といった表現をする場合もありますが、共有は不動産に限りませんので、正確な表現とは言えません。
共有の対象となるものは民法上「共有」と表現され、不動産と動産が含まれます。

(定義)
民法第八十五条 この法律において「物」とは、有体物をいう。
(不動産及び動産)
民法第八十六条 土地及びその定着物は、不動産とする。
2 不動産以外の物は、すべて動産とする。
不動産【登記できる】:建物、土地(動かせない)|動産【登記出来ない】:車両、パソコン、時計...など(動かせる)の図

上記の通り、土地や建物の不動産はもちろん、車や時計等の動産においても共有は発生します。それではその共有持分の割合はどのように決まるのでしょうか。

(共有持分の割合の推定)
第二百五十条 各共有者の持分は、相等しいものと推定する。

民法上、各共有者間で取り決めがない場合には、持分は相等しいものと推定されるため、通常は共有者間で持分割合を決めておくケースの方が多いです。基本的には出資した金額割合に応じて、持分割合を決めます。

共有持分のケース

ここでは、共有持分の例について見ていきましょう。

1. 何かを共同購入する場合

夫婦がマイホームを共同購入する場合や、2世帯住宅のために親子で共同購入する場合などがその典型例です。出し合った金額の割合に応じて持分を有し、共同所有することになります。

2. 相続により共有持分になる場合

亡くなった父が所有していた土地を共同相続した際などに、共有持分の状態が発生します。

共有持分のメリットとデメリットは?

メリット、デメリットのイメージ

共有持分のメリットとデメリットについて解説していきます。

メリット

共有持分のメリットは、購入する際、資金を各共有者で分担できるという点です。例えばマイホームを購入する際、夫だけだと組めるローン額が低く、妻と一緒にローンを組めば大きい家が買えるといった場合、多くの人が共有持分として購入することを選ぶでしょう。
また、税制上の優遇もメリットの一つです。

  1. 住宅ローン控除を二重に受けられる

  2. 特別控除を二重に受けられる

住宅ローン控除は夫婦それぞれが自身の住宅ローンの残高に対して利用できるもの、特別控除は不動産の売却時、倍の控除を受けられるというものになります。

デメリット

共有持分のデメリットはあらゆる行為に他の共有者の同意が必要になるという点です。売却どころか管理行為に関しても、一定の賛成がなければできません。例えば夫婦で共同購入した自宅に、離婚後も一方が住み続けたいと思っている場合、簡単には処分ができないのです。

またそのまま共有状態を放っておくと、2次相続、3次相続が起きた場合に、さらに共有者が増えてしまうため、よりいっそう処分しにくくなってしまう可能性があります。例えば夫が亡くなり、息子2人と妻が共同名義でその自宅を相続し、その後すぐに息子の一人が死亡し、息子の妻と子が相続した場合、亡き夫の妻と息子、さらには息子の妻子が共有関係者となります。

親族が多い場合にはさらに細分化されてしまう可能性もあるため、早めに処分されることをおすすめします。権利関係が細分化されすぎた場合、自己の共有持分のみの売却も難しくなってしまうこともあるため、注意が必要です。とはいえ共有持分のままでもできることはあります。

共有持分のままでできること

(共有物の使用)
民法第二百四十九条 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

上記の通り、共有持分を持っている共有者は、共有持分の全部について利用することができます。この「全部」という点がポイントです。共有持分が2分の1だから、家の半分しか利用できないという訳ではなく、その全部を利用できるのです。

例えば夫婦が、2分の1ずつの割合で自宅を共同所有していた場合、夫は家の半分のここまで、妻は家の半分のここまで、というような利用はしませんよね。僅かであっても共有持分を所有していれば、共有物全部に対して利用する権利を有することになります。

しかしながら先述した通り、共有者はすべてのことを自分一人で勝手にすることはできません。共有の際、よく出てくる行為の形式は、下記の3つです。

  1. 保存行為

    共有物の状態を保存するために必要な行為です。例えば、雨漏りの修理などがこれに当たります。各共有者は、自己の判断で単独ですることができます。

  2. 管理行為

    賃貸契約の締結や解除が代表例です。過半数以上の賛成があればすることができます。

  3. 変更行為

    共有物全部を処分したり、売却したりする行為です。共有者すべての同意が必要になります。

1よりも2、2よりも3の方がその要件が厳しくなってきます。共有持分を100分の1しか持っていなかったとしても、その者の反対があれば、変更行為を行うことはできません。それゆえ、共有不動産の全部売却は難しいのです。

(共有物の変更)
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。
(共有物の管理)
第二百五十二条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

共有持分で多いトラブル

共有持分イメージ

持分の多くは夫婦や親子間で所有されており、親族間の関係悪化による拗れが最大のトラブルです。例えば夫婦で自宅を共同購入したもののその後夫婦関係が悪化、相続が発生しても遺産分割協議がまとまらないため、とりあえず共同相続にするしかない等、共有持分のトラブルの多くは、親族のトラブルと密に関係しています。

もちろん親族間のトラブルだけではありません。共有者の一人が自己の共有持分を売却し、買い取った第三者が共有分割を請求、自分はまだ住み続けたいのに、全部売却して分割(換価分割)したいと主張されてしまっている等、様々なケースがあります。

共有持分それ自体は各共有者が自身の判断で売却することができるため、他の共有者が感知できないこともあるかもしれません。このようなトラブルを防止するためには、できるだけ早く共有状態を解消すること、これにつきます。

また、相続に際しても共有状態はよく発生します。自分の代で共有状態を解消しておくことや、遺言書を作成して遺産分割で共有にならないようにしておくことも、共有発生を防止する方法といえます。

遺言書は自身のみでももちろん作成可能ですが、公正証書遺言などの方が後々遺言書をめぐってのトラブルが起きにくいので、専門家を交えて作成するとよいでしょう。なお、遺言は15歳以上であれば、いつでも用意しておけます。何度作り直しても問題ないので、早めに作成しておくとよいでしょう(日付が一番新しいものが有効になります)。

共有持分の売却方法

共有持分は、自分の共有持分のみであれば、単独で売却することができます。共有持分を他の共有者に売却する方法もあれば、第三者に売却する方法もあります。いずれにしても、登記手続きだけでなく、契約書等、専門的な知見が必要になるため、専門業者を利用することをおすすめします。

信頼できる業者を利用することが大きなポイントになりますので、いくつかの会社から話を聞き、費用や実績、見解、また、その会社の人柄などをみて依頼する業者を決めるとよいでしょう。

事例

相談内容

30年前に父が他界し、自宅を母と兄弟3人で相続することになりました。私は母親と共に暮らし、ずっと親の面倒を見てきましたが、弟は親に対し何もしていません。しかし母亡き後、弟は「自宅を売りお金を工面したい」と言い出しました。それに私が反対したため、弟は共有物分割請求という訴訟を起こすというのですが、相手から訴訟を起こされると、共有名義の不動産を買い取るか、売却するか、競売になるかの3択になると聞きました。
私としては第三者に高く売りたいのですが、その際共有者の同意なく売却は可能なのでしょうか?
また父の他界後、相続登記は変更されないままとなっていますが、母の共有名義不動産を相続登記した際にも相続税は発生するのでしょうか?

共有名義・共同名義相続のトラブル事例のイメージ

解決までの流れ

共有持分の売却の点

まず、自己の共有持分のみを売却すること自体は可能です。他の共有者の同意も不要です。通常、不動産鑑定士による物件査定を経て適正価格が算出されます。

相続税の点

また、相続税においては、当社提携の公認会計士により計算を行った結果、不動産価格としては億を超える物件でしたが、母の共有持分割合により計算されるため、基礎控除額により相続税は発生しないと判明し、相談者様には安心感を与えることができました。

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