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【弁護士Q&A】共有土地の分筆について相談です基礎知識

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【弁護士Q&A】共有土地の分筆について相談です

父と父の姉が土地を共有しているのですが、10年以上土地の分割の仕方が合意できず困っています。現在、共有の土地には父の家のみが建っており、老朽化したので建て替えを考えていますが、分筆できないの話が進みません。当事者同士の話し合いでは分筆は難しい状況です。このような場合、どのような何か法律的な解決手段はありますか?

各共有者は、他の共有者に対して、いつでも共有物の分割を請求することが出来るとされているところ(民法256条1項)、具体的な分割の方法は、まずは、共有者間の協議によって定めるのが原則となります。共有者間で協議が整う限りは、どのような分割方法でも自由に決めることが出来ます。

しかし、具体的な分割方法について共有者間の任意の協議が整わない限り、分割を実現できず、当事者の望まない共有状態が永続するという事態は避ける必要があります。

そこで、共有物の分割について共有者間に協議が整わないとき、分割を求める共有者は、裁判所に対して、共有物分割訴訟を提起することが可能です(民法258条1項)。

共有物分割訴訟では、共有物の分割方法に関して、(1)現物分割と(2)賠償分割が、原則的な分割方法と位置付けられており、まずは、このいずれかでの解決が可能かが検討されます(民法258条2項)。

(1)現物分割は、共有地を分筆して各共有者の単独名義の土地にするという方法です。しかし、本件の場合、共有地上にお父様単独名義の家が存在しているため、土地の現物分割での解決は困難と言えます。

(2)賠償分割は、共有地を共有者の一方の単独所有として、他の共有者に対して償金を支払うという方法です。本件の場合ですと、共有地上に家を持っている父親の単独名義にして、父親から伯母様に償金を支払うという形が考えられます。但し、お父様が十分な償金の支払いを行なう資力がない場合には、この方法での解決も困難となります。

現物分割と賠償分割いずれでの解決も難しい場合には、裁判所は、共有物の分割を命じる判決を出すことになります(民法258条3項)。これは、共有地を競売で第三者に売却し、売却代金を共有者間で按分して受け取るという方法です。

けれども、共有地が第三者の所有になった場合、土地上のお父様の家には敷地利用権がないことから、買受人から建物収去及び土地明渡を請求された場合には、これに応じなければならなくなります。

以上の通り、共有物分割訴訟という法律的な解決手段はあるものの、必ずしも当事者にとって望ましい結果になるとは限らないことは留意してください。

まとめ

  • 共有物分割の協議が整わない場合、共有物分割訴訟の提起が可能です。
  • 現物分割及び賠償分割いずれでも解決が困難な場合は競売判決となります。
  • 土地が競売になった場合は敷地利用権のない建物は収去の対象となります。

この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する相続人への支援を担当。これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた相続のプロフェッショナル。

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