共有持分の買取|共有者と連絡が取れないケース|トラブル事例|その他
共有持分の買取|共有者と連絡が取れないケース
目次
質問B共同所有の甲土地(約50坪)の売却を検討しております。
売却に際しまして、下記点について教えてもらえますでしょうか。
1. 甲土地全部を売却したいのですが、もう一方の共有者(B)と連絡がつきませんが、どうしたらよいのでしょうか。
2. 貴社では地方の土地でも扱っているのでしょうか? 私が住んでいる市内の不動産会社に販売を依頼しましたが、名義が分割されていないと販売できないと言われてしまいました。
3. 他社の共有不動産会社との違いや、強みは何でしょうか?

詳細解説
1. 共有者(B)と連絡がつかない
- 全部を売却したい場合には他の共有者の同意が必須
甲土地を全部売却したい場合には、他の共有者の同意が必ず必要で、同意がない場合、全部の売却をすることはできません。どうしても、全部を売却したい場合は、他の共有者と連絡を取って、同意を得るしかありません。
ただ、どこにいるのかわからない場合や、連絡が取れたとしても、売却に同意してくれない場合には、土地全部の売却は諦めるしかありません。また、行方不明の場合には、失踪宣告などの手続きをし、売却する方法もありますが、こちらに関しては、手続きが複雑で弁護士などの専門家に依頼する必要もあり、かなりの労力がいることになってしまいます。
2. 地方の土地でも扱ってますか?
(1)当社は全国でサポート
共有持分に関して、専門的に扱う業者は地方にはそう多くはありません。当社は東京にありますが、全国どこでも対応しています。実際に当社のスタッフが現地まで伺って商談を進めていきます。
こんな共有持分でも売却できるの?という不動産でも多くの売却実績があります。もちろん、必ず売却できるという訳ではありませんが、専門業者ならではの、取引ルートがありますので、他社よりも数段売却できる、また、高額で売却できる可能性は高い自信があります。
(2)共有不動産は分割をしなくても売却可能
Aが相談した不動産屋さんでは、共有不動産の共有持分を売却する場合には、名義が分割されていないと売却できないということですが、そんなことはありません。
自己の共有持分のみであれば、他の共有者の同意なくして、自身の判断で売却することができます。

本件の場合も、不動産の全部の売却にこだわって労力や費用を割くよりも、自己の共有持分のみを売却してしまった方が、結果的には“お得“とも言えます。
市内の不動産屋さんでは「名義を分割しないと売却できない」とのことですが、これは、「名義を分割=それぞれ独立した土地にして売却」という流れなら、売却できるということだと思います。やはり不動産に詳しいと思っていっても、共有不動産を扱うのは難しいというのが、市内の不動産屋さんの発言からもお分かり頂けるかと思います。
共有不動産の処分については、やはり共有不動産専門業者に相談することを推奨致します。
3. 他社の共有不動産会社との違いや、強み
さて、不動産屋さんでもなかなか扱いづらい共有不動産ですが、最近専門業者も増えてきました。電車の広告でもよく見るようになり、また、インターネットで検索すると多くの共有不動産専門業者が出てくるようになってきています。
ただ、専門業者と一口に言っても形態はさまざまで、下記2つに大きくは分かれます。
- 自社で買い取り第三者に転売する業者(買取業者)
- 第三者へ仲介する業者(仲介業者)
1 の買取業者は自身が契約の当事者になるため、少しでも有利になるよう買取価格が安くなりがちです。一方の仲介業者は客観的立場から仲介するのでそのようなことは起こりません。共有不動産の売却については共有不動産専門仲介業者に依頼する方が断然良いと言えます。

ただ、表向きは仲介業者と謳っていても、実際は自社で買い取っていくという不動産業者もいるので、注意が必要です。実際に、話を聞いていけばこの業者は信用できるのか…ということが判断できるかと思います。
豊富な売却・解決実績はあるのか、担当の人の対応はどうか、知識はどうか等、直接話すとわかる点があると思います。まずは、メールや電話のお問い合わせから相談を始めるとよいでしょう。
この記事の監修者
代表取締役 /
宅地建物取引士
CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。共有持分を始めとした相続トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。