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【松原昌洙が解説】空き家問題、放置していいことはゼロです!|体験談・インタビュー

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【松原昌洙が解説】空き家問題、放置していいことはゼロです!

前回の記事では、共有名義不動産に絡む相続トラブルの事例をご紹介しました。

今回は、相続によって起こる「空き家問題」について解説していきます。

【Amazonで販売中】相続の落とし穴!共有名義不動産: 想い出がきれいなうちにトラブル解決

今さら聞けない【空き家問題】って何?

相続時に相続登記を完了させていなかった土地は、相続人たちの共有名義不動産になります。

そして、代を重ねるごとに共有者は増えていきます。

いざその土地を何かに利用したくても、共有者は何十人という状況になってしまっています。

土地利用の承諾を得たいのに、誰が所有者かわからない事態が発生し、結果的にほぼ土地の活用が不可能ということも多いのです。

こうした所有者の分からない土地は放置され、年々増えています。

このような土地を「所有者不明土地」といい、所有者不明のまま空き家・空き地が放置されてしまう問題を【空き家問題】と言います。

空き家を放置するとどんなリスクがあるのか?

相続時に登記を完了させなかったことで、じわじわと広がる「所有者不明土地」。

こうした所有者不明土地は、どんな問題を引き起こすのでしょうか?

土地の所有者がわからない!公共事業への支障

所有者不明土地による、公共事業への支障が深刻になっています。

土地を利用して公共の道路を通したくても、所有者がわからないため計画が一向に進まなくなります。

地方へ行くほど、山や森林規模で所有者不明土地が点在するため、より一層、公共事業の用地取得が難しくなっているのです。

さらに、早急に対応しなければならないときにも、思わず足止めされる場合があります。

台風によって崩れた急傾斜地を整備したいとき、相続人の特定に手間取り、着手できない状態になってしまいます。

「緊急事態なのだから、自治体が決行してもよいのでは?」と感じるかもしれませんが、法律上はそうもいきません。

このように、所有者不明土地が増えれば増えるほど、使用のできない「土地の穴」がぽこぽこと増えていくのです。

相続人にとっては、お荷物財産

空き家状態の共有名義不動産を持っている場合、現在は共有関係が明確であっても、決して油断はしないようにしましょう。

共有関係は、自分たちの代で解消することが、将来の安泰につながります。

もし共有関係を放置し続けたら、次の代へいらない「負動産」を背負わせてしまうことになるのです。

そして、空き家は時間が経てば経つほど朽ちていきます。

解体するにしても、「共有者の意見がそろわない」「誰が解体費を出すのか」など、いくつもの問題をクリアしなければなりません。

しかも、解体し更地にすると固定資産税が一気に増えてしまいます。

近年では、増加する空き家への対策として、倒壊の恐れがある空き家の解体を、自治体が代執行できるようになりました。

この解体費用は一時的に自治体が負担するものの、後日、所有者に請求が来る流れとなっています。

いずれにしろ、空き家の放置にメリットはありません。

空き家だからと安売りするのは厳禁!贈与税に注意!

「空き家状態にならないようにするなら、売るしかない。いくらでもいいから売ってしまおう」

こうした発想は、思わぬトラブルにつながる場合があります。

【事例】兄弟2人で「売る」「売らない」どう解決する?

まずは、典型的な空き家トラブルの事例を見ていきましょう。

  • 兄弟2人で実家を相続した
  • 次男は売却したいが、長男は反対
  • 長男は「いずれ賃貸に出したい」と考えている
  • 共有状態で賃貸に出すと、トラブルにならないか不安。なんとか売却できないか?

空き家の使い道について、共有者間で意見が割れているパターンです。

共有関係を継続したまま賃貸を続けていくと、トラブルになる可能性があります。共有関係の解消には、「相手の持分を自分が買い取る」という方法がありますが、実は大きな注意点があります。

「兄弟だから安値で」は贈与と見なされる

こちらの事例では、長男に、相談者の次男の持分を買い取ってもらうことで解決しました。

ただし、ここで注意したいことがあります。

兄弟だからといって、「安値で売る」ことはやめておきましょう。

次男は、「兄なので」と、相場に比べてかなりの安値で長男に売ろうとしていました。

しかし、著しく低い売値にしてしまうと、税務署から贈与と見なされ、長男が多額の贈与税を負担することになってしまいます。

「手放したいからいくらでもいい」という安易な考えはとても危険です。

適正価格で、まっとうな取引を行うようにしましょう。

思い出いっぱいの実家が、勝手に売りに出されていた!

上の相談のように、共有者同士の仲が良かったら、相続問題は全員が合意の下で円満に解決するでしょう。

しかし、仲が悪いと思わぬトラブルが起こります。

【事例】弟たちが勝手に実家を売ろうとしている!

ここで、共有者間の仲がこじれている場合の事例を見ていきましょう。

  • 兄弟3人の共有名義になっている空き家
  • 弟2人が空き家を勝手に売りに出していた
  • 兄弟の仲が悪く話し合いができない
  • どうすれば解決できるのか?

まずは、相談者である長男と、弟たち3名との話し合いの場が設けられました。

その場で、共有名義不動産を勝手に売りに出すことが違法であることを伝え、さらに、それぞれの持分の売却であれば可能であることをお伝えしました。

一方で、長男からは「第三者に売るくらいなら、弟2人の持分を買い取って、子ども夫婦に住ませたい」という意向も引き出すことができました。

共有名義の解消が損を防ぐ

こうして円満に終わるかと思われた交渉でしたが、弟たちは「長男にもっと高く買い取ってほしい」の一点張りで、譲歩しません。

結局、相談者である長男が折れて、弟たちが提示する、鑑定価格よりも高い金額で買い取ることとなりました。

このように、感情のぶつかり合いが起こると、誰かが折れて損をする結果になることもあります。

もっと早い段階で共有関係を解消していれば、誰かが損をする結果にはならなかったことでしょう。

まとめ

放置したままの空き家は、共有者だけでなく、その周辺で暮らす人にも防犯上、衛生上など観点から多大な迷惑を掛けてしまいます。

相続した不動産は、できるだけ早い段階で共有状態を解消し、空き家状態を回避することを目指しましょう。

次の章では、収益不動産を共有している場合のよくあるトラブルについて解説します。

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。共有持分を始めとした相続トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。

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