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松原昌洙が【あぶない!! 共有名義不動産】の第3章を解説

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【松原昌洙が解説】トラブル解決への道筋~現実的な解決策とは~

全国各地で後を絶たない不動産トラブル。その中でも発生が多く解決が難しいのが「共有名義不動産」をめぐるトラブルです。

書籍『あぶない!! 共有名義不動産』は、不動産トラブル解決のスペシャリストが執筆した一冊。その中から、このページでは「トラブル解決の種類と現実的な解決策」を取り上げ解説していきます。

ぜひ、前の記事で取り上げた事例とあわせて読んでみてください。

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ートラブル解決には共有関係の解消しかない

共有者たちがどのような関係性か、不動産の種類は何かなど、共有名義不動産のケースは様々です。共通しているのは、どのようなケースであってもトラブルのリスクが高いことは変わらないということです。また、時間の経過で解決できるものでもなく、逆に時間を置いてしまうことで共有者が枝分かれし、どんどん複雑化していきます。

そのため、一旦トラブルが起こってしまうと共有関係を解消するほかありません。トラブルが起きた以上、共有者の間には感情のほつれが生じ、それ以前のように状態を維持することができないからです。

本記事で説明していく共有名義不動産の解決法は、全て「共有状態を解消する方法」になります。

ー共有状態を解消する7つの方法

本書では、共有状態を解消する方法として次の7つを紹介しています。また、それぞれどのようなアクションを取るのか、X、Y、Zという共有者ら共有者が甲土地の持分を3分の1ずつ持っている状態のときの例もご紹介します。

①全部売却

共有名義不動産を共有者全員で売却する方法です。この場合、Xが、Y、Zに対して甲土地の売却を提案し、全員の合意が得られたら不動産会社を通じて買い手を探します。

②一部売却

自己の持分を共有者以外の第三者に売却する方法です。この場合、Xが、自己の持分について、Y、Z以外の買い手を探します(ただし、買取業者に安値で買い叩かれないよう注意が必要です)。

③持分移転

自己の持分を第三者ではなく他の共有者に売却する方法です。この場合、Xが、Y、Zに対して自己の持分の買い取りを提案します。

④持分買い取り

他の共有者の持分を自身が買い取って、不動産を単独で所有する方法です。この場合、Xが、Y、Zに対してそれぞれの持分の購入を申し入れます。

⑤持分放棄

自己の持分を放棄する方法です。この場合、Xが自己の持分を放棄する意思を示します。

⑥土地の分筆

1つの土地(一筆の土地)を登記簿上2つ以上の土地に分ける方法です。この場合、Xが、Y、Zに土地の現物分割を提案し、同意を得たうえで分筆登記を行い、それぞれの単独名義にします。

⑦共有物分割請求訴訟

共有物の分割を訴訟の形で行う方法です。この場合、共有者であれば誰でも裁判所に共有物分割請求訴訟を提起することが可能です。

この他、特殊なケースとして「持分の交換」という方法も検討できます。

発生しているトラブルごとに適した解決方法を選択する必要があります。本書には詳しい事例も掲載していますので参考にしてください。

ー最も現実的な解決策とは

様々な解決法をご紹介しましたが、一般的に考えて、最も現実的な解決策は②の「一部売却」です。理由は、他の共有者と協議することなく自分の意思だけで自己持分を売却できる解決法だからです。

共有名義不動産をめぐるトラブルでは、各共有者の理想が異なり、意見が合致しづらかったり、交渉がスムーズに運ばなかったりすることが多いです。

例えば、①の「全部売却」は「早く売りたい」と考えている人にとってはメリットがありますが、「まだ売りたくない」「将来的に自分が住みたい」と考えている人には利益がありません。

③の「持分移転」では、共有者共有者間で買い取りに価格の折り合いがつかないことが多いです。他の解決法も同様で、共有共有者全員が納得できる形にまとまらないケースが多いです。

障壁となる様々な要因を加味した結果、「一部売却」が適切ということが少なくないのです。異なる意見を調整することができ、うまく折り合いがつきやすい方法が「一部売却」なのです。

トラブルの多い共有名義不動産は、解決の方法もいくつかあり、適切な選択が難しいです。実際、共有者だけでは解決できないということがほとんどです。

ご紹介したような知識を念頭に、トラブルに巻き込まれたときは専門家を頼ることをおすすめします。共有名義不動産のトラブルを解決する過程では、共有者との権利調整、不動産の評価、税務、登記、法律など、通常の不動産と比較して高い専門知識や手続きノウハウが必須になります。

本当に力になってくれる専門家かどうかの見極めも大切です。

例えば、共有持分売却の扱いに慣れているか、売り手の立場になってくれるか、他の専門家たちとのパートナーシップを組んでいるかということがポイントとなります。ご自身のトラブル解決に向いていない専門家を選んでしまうと、費用がかさんでしまうということもあります。

やはり一番の理想はトラブルが発生しないことです。

次の記事では、今回ご紹介したようなトラブルを未然に防ぐ方法をご紹介していきますので、参考にしてください。

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。共有持分を始めとした相続トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。

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