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破産管財人による
否認権行使後の後の契約締結

質問 借金があって破産をしてしまいましたが、共有名義で所持している不動産を債権者による追求を避けるために名義変更しようと思っていますが、何か問題はありますか?

破産管財人による否認権行使後の後の契約締結で破産した債務者が共有名義を債権者に取られる前に名義変更したい図

破産管財人により否認権を行使され名義変更が取り消される可能性が高いです。債権者から詐害行為として取り消される可能性も高いです。
いずれにせよ、そのような目的での名義変更は取り消されてしまう可能性が高いです。

破産管財人による否認権

1. 否認権とは?

まず、否認権とは破産手続開始前になされた破産者の行為またはこれと同視できる第三者の行為の効力を否定して破産財団の回復を図る形成権たる破産管財人の権能のことをいいます。破産管財人はこの否認権を行使して流出してしまった財産を破産財団に取り戻すことになります。

破産法160条:「次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
一  破産者が破産債権者を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、破産債権者を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。」

なお、この否認権を行使できるのは、破産管財人のみです。

破産法173条:「否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する

2. 否認権行使の効果

破産管財人によって否認権が行使されるとその対象となった破産者の行為の効果が否定され、流出した財産が原状に復することになります。本件でいえば、名義変更の効力は否定され、元に戻るということになります。

詐害行為取消権との違い

民法424条:「債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。

同条2項:「前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。」

とあります。なんだか、破産法上の否認権と同じような感じがしますね。違いをまとめると、

両者の違い

1. 対象

否認権は詐害行為偏頗行為(へんぱこうい)が対象、詐害行為取消権は詐害行為のみです。

  • 偏頗行為(へんぱこうい):破産者による特定の債権者にのみ利益を与える行為

他の債権者への弁済は停止しているにもかかわらず、親しい取引先や家族・親族等にだけ弁済をしてしまうなど特定債権者にだけ弁済をするという場合です。

2. 必要な要件として

否認権は詐害意思については不要なのに対し、詐害行為取消権は債務者の詐害意思が必要です。

  • 詐害の意思とは債権者を害する意思で主観的な要素を指しますが、無資力状態になることを知って唯一の財産を処分した場合には詐害意思が認められることが多いです。

3. 行使の観点から

否認権は管財人のみ行使可能で、訴え・否認の請求・抗弁で行使できます。

破産法173条:「否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、破産管財人が行使する」

  • 抗弁とは、相手方の申し立てまたは主張を単に否認するのではなく、その排斥を求めてそれと相いれない別の事項を主張することです。
    例:弁済が無いとの主張に、違います(否認)をするのではなく、具体的に●月〇日に弁済をした。
    この、具体的に「●月〇日に弁済した」という事実は弁済が無いという主張と相いれない別事項のため抗弁となります。

なお、詐害行為取消権は、訴訟でのみ行使可能です。

民法424条:「債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。

このように違いはありますが、破産状態の者が特定の財産を処分、または廉価で処分をすることは取り消される可能性が高いです。仮に第三者がいる場合、多大な迷惑をかけてしまいます。名義変更は比較的容易にできますが、場合によっては、大きな問題トラブルに発展してしまう場合があるので、ご注意ください。

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