離婚(及び再婚)|用語集
離婚(及び再婚)
離婚について
離婚の種類は、下記4つの種類があります。
- 協議離婚
- 調停離婚
- 審判離婚
- 裁判離婚
離婚のほとんどは1で完結されます。協議がうまくいかない場合、2以降に進むことになりますが、いきなり裁判を提起することはできず、調停前置主義、つまり、調停をまず提起する必要があります。そこで裁判に移行する必要がある場合には、4の裁判離婚に進むことになります。4の裁判離婚まで発展するケースは1年を通じてもあまりありません。

“平成26年4月から12月までに受理した離婚訴訟事件7,033件のうち、614件(8.7%)が渉外離婚訴訟事件となっている。”(出典:最高裁判所事務総局家庭局)
なお、子供がいる場合で協議離婚をする場合には必ず、親権者を定めなければなりません。
(離婚又は認知の場合の親権者)
民法819条:「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。」
- 裁判上の離婚の場合には、裁判所が親権者を定めます。
無事離婚が成立すると、氏(苗字)は原則婚姻前に戻ります。
(離婚による復氏等)
民法767条:「婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。」
しかしながら、職場で使い慣れた名前を変えたくないという人もいると思います。その際は離婚の日(正確には離婚届が受理された日)から3ヶ月以内に所定の手続きをすれば、婚姻中の氏を使用し続けることができます。
同条2項:「前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。」
離婚をすると男性はすぐに再婚することができます。一方、女性は再婚禁止期間という再婚できない期間があります。これは、女性は懐胎(妊娠)するため、前夫の子なのか、新夫の子なのかどちらの子か分からないと困ってしまう、すなわち、父親確定のために設けられた期間とされています。
(再婚禁止期間)
民法「旧」733条:「女は、前婚の解消又は取消しの日から6か月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。」
しかし、DNA鑑定などの医療の発展から、6ヶ月もの期間がいるのかという議論は以前から出ていました。これに関する判例が近年出ています。
♦参考判例:最大判平成 27 年 12 月 16 日判決
要約:「父の推定の重複を避けるために女性に100日間の再婚禁止期間を設けることは合憲であるが,100日間を超えて再婚を禁止する部分については,平等原則(憲法14条,同24条2項)に反するものであり,違憲であるとの判断を示しました。」
つまり、再婚禁止期間を設けること自体は許されるが、それが6か月というのはあまりに長すぎ、100日で十分、6ヶ月とする部分については憲法に反し、違憲ということです。これにより民法が改正され、再婚禁止期間は6ヶ月から100日へと短縮されました。
(再婚禁止期間)
民法「新」733条:「女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。」
この記事の監修者
弁護士
弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。不動産の共有関係解消など相続と不動産分野の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。