連帯納付制度(相続税法第34条)|法律・税金|相続
連帯納付制度(相続税法第34条)
意義:他の相続人が滞納している相続税額まで、連帯納付しなければならない制度のこと
詳細解説
相続が発生すると相続税を支払うことになります。その際、同じ被相続人から相続した他の相続人が相続税を滞納していると連帯して納付義務を負います。
なぜかというと、相続税徴収を確保するため、各相続人に特別の責任(連帯した責任)を課す必要があると考えているからです。ただし、納付義務は「相続により取得した財産の価額を限度額」にしているため、相続で得た財産以上は徴収されることはありません。
相続税法34条:「同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者は、その相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について、当該相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の責めに任ずる。」
連帯納付義務の制度内容
- 対象者:相続人全員が連帯納付義務を負う
- 負担の範囲:相続人に平等に課される
- 連帯納付しなくてもよくなる2つの要件
連帯しなくてもよくなる条件(解除条件)が存在します。
申告期限から5年が経過した場合
ただし、申告期限から5年以内に、税務署から連帯納付の督促を受けている場合は、引き続き連帯納付義務を負います。
納税義務者が延納、納税猶予を受ける場合
上記の場合には連帯する必要はなく、自己の相続税のみ支払えばよいことになります。

この記事の監修者
弁護士
弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。不動産の共有関係解消など相続と不動産分野の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。