息子の妻の相続権|法律・税金|相続
息子の妻の相続権
ご相談内容
息子の妻が献身的に姑を介護をしていた。息子の妻は姑の遺産を得られるのか?

法定相続人の規定
(子及びその代襲者等の相続権)
民法887条:「被相続人の子は、相続人となる。」
(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
民法889条:「次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹」
(配偶者の相続権)
民法890条:「被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。」
とあるように、民法の規定上、法定相続人とされているのは、被相続人の配偶者、子、親、兄弟姉妹で、それ以外は相続の権利はありません。
法定相続人以外からの金銭請求が可能に
民法が近い将来改正されます。具体的には、平成29年(2017年)12月20日に、「民法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」(平成29年政令309号)が公布され、改正民法の原則的な施行期日は、平成32年(2020年)4月1日とされました。
この改正で、被相続人の生前に介護や看病で貢献した親族に考慮した制度が創設されます。法定相続人ではない親族が被相続人の介護や看病をするケースがありますが、現行法ではこの場合の当該親族は遺言がない限り、介護や看病に対しての報酬を受けることはできませんでした。
例えば、お嫁さんが夫の親がなくなった場合、お嫁さんは法定相続人ではないため、相続の対象にはなりませんでした。これがいくら、夫の親の介護を献身的にしていたとしてもです。
新たな改正案では、相続人ではない親族も、被相続人の介護や看病に貢献した場合は金銭請求できるようになります。なお、注意すべき点は、この請求ができるのはあくまで親族が対象で、第三者、つまり、家政婦などが介護や看病をした場合は含まれませんので、注意が必要です。
この記事の監修者
弁護士
弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。不動産の共有関係解消など相続と不動産分野の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。