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作成日:2017.10.25

二重起訴(重複起訴)の禁止

コンテンツ番号:3117

(重複する訴えの提起の禁止)

民事訴訟法142条:「裁判所に係属する事件については、当事者は、更に訴えを提起することができない。」

alt二重起訴(重複起訴)の禁止

例えば、現在東京地方裁判所で裁判中にもかかわらず、札幌地裁で相手も訴訟の内容も全く同一の裁判を提起する場合、訴訟経済に反するばかりか、矛盾した判決が出てしまう可能性もあります。

また、被告としては裁判に応じなければならない(応訴の煩)という弊害もあります。

そこで、重複起訴に当たる裁判は後で起こされた訴えの方を不適法として却下されます。

 

<二重起訴となるかどうかの判断基準>

二重起訴となるかどうかは、当事者の同一性と審判対象(訴訟物)の同一性から判断すべきだとされます。

①当事者の同一性と②訴訟物の同一性の両者を満たす必要があります。

例えば、AがBに対して貸金返還訴訟を提起する場合

※ケース1

前訴:①AがBに対して、②H21年1月1日に貸し付けた100万円の貸金返還請求訴訟を提起

後訴:①AがBに対して、②H21年1月1日に貸し付けた100万円の貸金返還請求訴訟を提起

の場合①当事者も同一、②訴訟物も同一なため重複起訴に該当し、後訴は不適法として却下されます。

 

※ケース2

前訴:①AがBに対して、②H21年1月1日に貸し付けた100万円の貸金返還請求訴訟を提起

後訴:①AがCに対して、②H21年1月1日に貸し付けた100万円の貸金返還請求訴訟を提起

の場合①は異なり(BとC)、②が同一です。

①の当事者は異なるため両訴えは当然適法です。

 

※ケース3

前訴:①AがBに対して、②H21年1月1日に貸し付けた100万円の貸金返還請求訴訟を提起

後訴:①AがBに対して、②H25年4月1日に貸し付けた100万円の貸金返還請求訴訟を提起

の場合①AとBで同一ですが、②は貸し付けた日が異なります。

①の当事者は同様ですが、訴訟を提起している債権の内容が全く別なため、適法とされます。

このように当事者が同一で似たような訴訟であっても、その請求する内容が異なっていれば当然重複起訴とはされません。

あくまでも①当事者が同一且つ②訴訟物(請求の内容)が同一かで判断されます。

 

※ケース4

前訴:①AがBに対して、②H21年1月1日に貸し付けた100万円の貸金返還請求訴訟を提起

後訴:①BがAに対して、②H21年1月1日に貸し付けられた100万円の債務不存在確認訴訟を提起

 

上記のような場合、①は同一ですが、②は給付訴訟と確認訴訟で異なるように思えますが、ある請求権について請求権の存在/不存在を確認する「確認の訴え」と、給付を求める「給付の訴え」の2つを起こした場合は、どちらの裁判が先に始まっても、後訴は二重起訴となります。

実質的には同一当事者で同じ内容について裁判することになるからです。

alt二重起訴(重複起訴)の禁止

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