基礎知識
作成日:2016.01.04
持分の共有状態を解消する主な方法は分割と放棄がありますが、放棄は字の通り、「もう自己の共有物はいりません、放棄します」というものです。
共有状態だとデメリットもあるため分割ができればよいのですが、それも手間、という時に利用されます。
持分を放棄すること自体は単独で行うことが可能です。
(持分の放棄及び共有者の死亡)
民法第二百五十五条「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。」
上記条文の通り、ある共有者がもう持分を放棄する!といった場合、その放棄した者の持分は他の共有者へ移ることになります。
共同所有の不動産を共有者の一部が放棄した場合、残りの共有者がその放棄分の権利を取得することができます。
ただし権利関係が変わるため、登記が必要になります。
※登記は義務ではありませんが、登記をしないと第三者対抗要件を備えたことにならないため、「この不動産のこの持分は自分のものです!」と第三者に主張することができません。
例えば、共有者の一人が勝手にその持分を譲渡して登記をしてしまった場合、本来の所有権者であったとしても、その第三者に対して対抗することができなくなってしまうのです。
この場合は、持分放棄を登記原因とする所有権移転登記を申請することになります。
共有持分の放棄それ自体は単独ですることができますが、登記においては、放棄した者のみでは移転登記をすることができません。
放棄者(義務者)と他の共有者(権利者)との共同申請の形式が取られています。そのため不動産持分を放棄するには、実質的に他の共有者の理解が得られなければならないということになります。
まずは、用意する必要のある書類について、見ていきましょう。
・登記済証または登記識別情報
・印鑑証明書
・固定資産税評価証明書
・実印
・本人確認資料
・住民票
・認印
・本人確認資料
必要書類は上記になります。
印鑑証明は発効から3か月以内である必要があるので注意が必要です。
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