基礎知識
作成日:2016.11.11
A、B、Cが三人で甲土地をそれぞれ持分は3分の1ずつで共同所有(共同名義で登記)していましたが、Cが勝手に甲土地全部を自分名義に登記してしまいました。 A,BとしてはCさんに何か主張できないのでしょうか?
Aさん、Bさんは自己の持ち分を超える分についても「単独で」登記の抹消を請求することが出来ます。
事例はA・B・Cが甲土地を共同名義で所有していましたが、Cが単独でA・Bの持ち分の分まで登記をしてしまった場合です。
不動産を登記すると強力な力、第三者に対抗できる(第三者に主張できる)ようになります。
民法177条:「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」
つまり逆を言えば、登記をすれば、第三者に対抗することが出来るようになります。
事例のCさんはABの分を勝手に登記(共同名義から単独名義に)してしまい本来の持ち分を超えて自分の(Cの)土地として登記をしています。
実態とは異なっているため、当然ABは抹消登記(共同名義に戻すように)を請求することが可能です。
またその際、A,Bは自己の持ち分を超える分についても抹消登記の請求をすることが出来ます。
※第三者が勝手に登記をしてしまった場合
共有者ではなくDが不実の登記(無断で登記)をしてしまった場合、各共有者は土地全部につき抹消登記請求ができるのか、また、持分の範囲でしかできないのかという問題です。
この点につき判例は…
♦【最高判平15年7月11日】
「不動産の共有者の1人は、その持分権に基づき、共有不動産に対して加えられた妨害を排除することができるところ、不実の持分移転登記がされている場合には、その登記によって共有不動産に対する妨害状態が生じているということができるから、共有不動産について全く実体上の権利を有しないのに持分移転登記を経由している者に対し、単独でその持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる」
としています。
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