事例でわかる!不動産「共有持分」の売却について

⑮共有不動産の鑑定評価・・・具体的な「3つの方法」とは?

img_cddf3b8eb9ea75e2f34275a172170633598901[1]前回は、不動産の共有名義人の一人が「行方不明」の場合の対応について解説しました。今回は、不動産の鑑定方法を見ていきます。

客観的な基準に基づいて行われる「鑑定業務」

第11回で述べたように、持分を処分する際には、価格をめぐるトラブルを避けるために、不動産鑑定士に持分の評価(鑑定評価)を依頼することが望ましいといえます。

不動産鑑定士が不動産の鑑定評価を行う手段としては、一般に以下のような3つの方法があげられます。

 

①原価法

評価対象の不動産を仮に再調達した場合の費用(同じ建物を再び建てた場合にかかる費用など)に着目して価格を導き出す方法です。

②取引事例比較法

評価対象の不動産と条件が類似した不動産の、過去の取引事例を参考にして価格を導き出す方法です。

③収益還元法

不動産によってもたらされる収益をもとに価格を導き出す方法であり、「直接還元法」と「DCF法」の2つがあります。

 

これらの評価方法の中身をみてもわかるように、不動産鑑定士の行う鑑定業務は、客観的な基準に基づいて行われるので、鑑定士によって評価の中身が大きく異なるようなことは滅多にありません。たとえば、同じ物件を複数の不動産鑑定士に評価してもらった場合に、「不動産鑑定士Aの評価額は6000万円」「不動産鑑定士Bの評価額は2000万円」というように数千万円も差が出るようなことは、まずないといってよいでしょう。

別の言い方をすれば、不動産鑑定士であれば誰に評価を頼んでもその中身はさほど変わりません。したがって、「鑑定にはあまりお金をかけたくない」というのであれば、鑑定報酬の額を見比べて依頼する相手を決めてもよいでしょう。

 

持分売却時に相続税への考慮が必要なケースも

不動産取引では、譲渡所得税、固定資産税など様々な税金の負担が発生する可能性があります。

また、遺産分割協議によって共有状態となった不動産の持分を売却する場合には、相続税への考慮が必要になることもあります。

そうした譲渡所得税や相続税等の申告を依頼する場合には、課税のシミュレーションと分析を細かく具体的に行い、納める税金の額を最も合理的な形にまとめあげてくれるような税理士に依頼することをお勧めします。

特に相続税に関しては税額が数千万、数億円になることもあるので、細心の注意を払わなければなりません。

一般にはあまり知られていませんが、相続税は非常に専門性の高い分野であるため、所得税などとは異なり不得意としている税理士も少なくありません。誤って、十分なノウハウや経験を持たない税理士に申告手続きを依頼してしまったら、過大な額の相続税を負担することになるかもしれないのです。

そうした望ましくない事態を避けるためにも、相続税の扱いに長けた税理士を選ぶことが大切になるでしょう。

 

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本記事は、2017年5月26日刊行の書籍『あぶない!!共有名義不動産』から抜粋したものです。稀にその後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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