事例でわかる!不動産「共有持分」の売却について

遺産分割の請求権利と消滅時効

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遺産分割を請求する権利は消滅時効などにより制限を受けますか?

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遺産分割請求権は時効にかかりません。
したがって、各相続人は、いつでも遺産分割を請求することができます。

時効

1、遺産分割の消滅時効

消滅時効とは、一定期間行使されない場合、権利を消滅させる制度です。

仮に遺産分割請求に消滅時効があるとすると、一定期間が経過すると遺産分割を請求する権利が消滅してしまうということです。

上記のように遺産分割請求権に期間制限はないため、遺産分割をしなかったとしても、遺産分割請求権が時効によって消滅することはありません。

確かに時効はないので遺産分割請求はいつしても良いのですが…

早めにすることが良いのは言うまでもありません。

例えば、遺産分割が行われないと、遺産はいつまでも相続人全員の共有状態となります。

※民法898条:「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」

金銭が共有であればまだよいのですが、相続財産が不動産の場合には、管理や将来売却する際に非常に手間になることになってしまいます。

尚…

民法908条:「被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。」

ただし、5年以内であれば、①遺言、②共同相続人の合意、または③家庭裁判所による分割禁止の審判により、遺産分割を禁止することができ、この禁止期間中は遺産分割の請求ができません。

2、その他の相続に関する消滅時効

(1)相続放棄の時効

民法915条:「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」

 相続放棄は、法定相続人となった場合に、被相続人の残した財産が、プラスの財産が多くても相続せず、マイナスの財産が多くても債務の負担をしないことで、相続放棄するとその法定相続人は初めから相続人でなかったことになります(家庭裁判所への申述が必須)。

相続放棄がなされると債権者がいる場合は大きな影響を与える結果になるため、早期に法律関係を確定することが求められ、相続が開始したのを知った時から3カ月間という期間が設けられています。

相続を知った時から3カ月が経過してしまうと時効により相続放棄はできなくなってしまうため注意が必要です。

※仮に相続財産が多額の借金であった場合、相続放棄を忘れてしまうと借金まみれになってしまいます。

(2)遺留分減殺請求権の時効

自己の遺留分を侵害された遺留分権利者及びその承継人は、自己の遺留分を保全するのに必要な限度で、贈与や遺贈などの減殺を請求することができる制度です。

遺留分減殺請求の時効は相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年、相続開始から10年経過で消滅してしまいます。

民法1042条:「減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

(3)相続回復請求権の時効

「相続権」の侵害に対し、財産請求にとどまらず、相続人たる地位の回復を要求することができる制度です。

相続回復請求権の時効は、自分の相続権が侵害されていることを知った時から5年間、相続開始から20年間です。

 民法884条:「相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。」

ライン

 相続が発生した場合には、早急に事実関係を整理し、手を打つ必要があります。

 特に不動産が相続財産の場合は遺産分割協議もまとまらないことも多くあります。

 当社ではお客様に最適な解決方法をご提案することができますので、是非一度ご相談ください。

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