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作成日:2019.11.14

相続で共有した不動産の賃料と処分

相続で共有した不動産の賃料と処分

コンテンツ番号:508

共有持分1/5の不動産を相続しました。 祖父の代で父親の兄弟に共同で相続されたものが、私(A)に移ってきた形です。
①父が生きていたころは他の共有者(父親の兄弟の長子)から賃料の振り込みがあったのですが、9年前に父が亡くなってから、一切なくなりました。
②そんな状態では自分にとっては荷物でしかないので、処分したいと思っています。物件は、横浜の繁華街です。一刻もはやく処分したいです。よろしくお願い致します。

相続で共有した不動産の賃料と処分

【詳細解説】

①賃料の振込未払いについて

本件では、父親が生きていたころには、賃料の振込があったにもかかわらず、父親が亡くなってから一切振込が亡くなったとあります。

(1)事実関係を確認しよう

この賃料は、他の共有者(父の兄弟の長子)からの賃料相当分の金銭が父に振り込まれていましたが、父親が亡くなり、その相続人が誰かわからず、振込先もわからないため、支払う意思があるにもかかわらず、振り込みができていない可能性があります。

その場合には、他の共有者に事実関係を確認し、未払い分の賃料について、早急に確認するとよいかと思います。

(2)時効との関係

賃料はAが有する債権です。

(債権等の消滅時効)

民法167条:「債権は、十年間行使しないときは、消滅する」

と民法に規定があるように、債権は10年間権利を行使しないと、消滅してしまいます。

本件では9年前から賃料の振込が滞っており、未だ消滅時効にはかかっていませんが、あと1年足らずで、賃料請求できる権利が消滅してしまいます。

具体的には10年経過した賃料分から徐々に請求ができなくなってしまいます。そうなる前に、回収できるようにする必要があります。

※時効を進めないためには…

消滅時効を完成させないために、民法では「中断」という制度を設けています。

時効が中断すると、経過した期間はリセットされます(0に戻ります)。

似たような制度で「停止」というものがありますが、こちらは、リセットではなく時効期間の進みが文字通り「停止」します。

(時効の中断事由)

民法147条:「時効は、次に掲げる事由によって中断する。

一 請求

二 差押え、仮差押え又は仮処分

三 承認

とあります。

「請求」とは、債権者から債務者に対して債権の請求をすることで、「承認」とは債務者が自らの債務の存在について認めることを言います。

※「差押え、仮差押え又は仮処分」については、ここでは割愛します。

債権者から債務者への請求や債務者の承認により、時効期間の進行を中断させることができます。

②処分について

本件Aは、相続した甲不動産の自己の共有持分につき、一刻も早く売却したいとのことです。

自己の共有持分のみであれば、他の共有者の同意がなくても売却は可能です。売却できれば、金銭が手に入るだけではなく、共有関係から離脱することができます。 


本件でのポイントは「一刻も早く」という点でしょうか。

共有不動産を扱う不動産屋さんは増えてきましたが、どこのホームページを見ても素早く買取りができます(中には即日買い取りというところも…)とアピールしているところは多くあります。


自社で買い取りを行う不動産屋さんと売り手と買い手を仲介する不動産屋さんがあり、特に自社で買い取る不動産屋さんはスピードをアピールポイントとしてよく主張しています。


一方、仲介業者は買取までの期間が長いともあります。

しかし、買取専門不動産業者と仲介不動産業者とでは、買取までの期間に大きな差はありません。

むしろ、すぐに買取をするようなところは、怪しいと思ってください(不動産の売買には多くの手続きがいります)。


仲介業者は自社で買い手との独自のルートを持っているケースが多いため、スピーディーに買い取れるだけではなく、買取業者に比べて、高価で売却できる可能性が高いです。


特に本件の共有不動産のある場所は、横浜の繁華街ということもあり、立地もよく買いたいという人は多くいると考えられます。

一刻も早く売却したいとは言え、大事な不動産です。業者選びの選定が最大のポイントといえるでしょう。

 

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