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相談事例

作成日:2019.09.30

法定相続分とは

1,法定相続分とは

法定相続分とは、民「」が「」める「相続分」のことで、相続分の目安を規定しています。共同相続人間で同意があれば、法定相続分とは異なった相続分での相続も可能です。

 また、遺言書がある場合にもこの法定相続分には拘束されません。

 

(法定相続分)

民法第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。

一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。

二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。

三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。

四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

 

 死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。

 

①第1順位

・被相続人の子

※その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属が相続人となります(代襲相続)。

※卑属:被相続人よりも下の世代(子や孫)

 尊属:被相続人よりも上の世代(親や祖父母)

②第2順位

・被相続人の直系尊属

 ※第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります。

③第3順位

・被相続人の兄弟姉妹

 ※第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。

 

(子及びその代襲者等の相続権)

第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。

2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

 

(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)

第八百八十九条 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。

一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。

二 被相続人の兄弟姉妹

 

(配偶者の相続権)

第八百九十条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。

 

被相続人や他の相続人を死亡させようとしたり、被相続人が殺害されたことを知っているにもかかわらず、告発、告訴しなかったり、詐欺や脅迫によって被相続人の意思とは異なる遺言書にするようなことをしたり、遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した相続人は、そもそも相続人にはなれません。

2,法定相続分の具体的パターン

さて、それではここからは、法定相続分の具体的ケースを見ていきましょう。

民法の条文だとわかりにくいので、まずは、法定相続分を表にしてみましょう。

2,法定相続分の具体的パターン

①第1順位の場合

相続人が配偶者と被相続人の子の場合には、それぞれの法定相続分は2分の1ずつになります。

子供が複数人いる場合には、子供に配分された2分の1をさらに均等に分けていく形となります。

・子が2人の場合

 配偶者:2分の1、子①4分の1、子②4分の1

・子が3人の場合

 配偶者:2分の1、子①6分の1、子②6分の1、子③6分の1

 

②第2順位の場合

被相続人に子がおらず、両親がいる場合の法定相続分は、配偶者が3分の2、被相続人の親が3分の1になります。

  

③第3順位の場合

被相続人に子がおらず、また、両親もなくなっており、配偶者と兄弟がいる場合の相続分は、配偶者が4分の3、兄弟が4分の1になります。

3,法定相続分に拘束されない場合

法定相続分に拘束されないケースは3つです。

①遺言書がある場合

②寄与分がある場合

③特別受益がある場合

以下、それぞれについて見ていきましょう。

 

①遺言書がある場合

 

(遺言による相続分の指定)

民法第九百二条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。

 

とあるように、遺言で、共同相続人の相続分を定めることができます。ただし、遺留分を侵害するような遺言はできません。

※遺留分とは最低限相続させなければならない相続分のことです。

 

②寄与分がある場合

寄与分とは、被相続人に特別の寄与があった場合、その者に相続財産を多く渡すべきという考えから 制度化されています。

例えば、被相続人を熱心に看病していた、事業を手伝っていた等のような場合です。

 

(寄与分)

第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

 

例えば、相続財産が1000万円あり、寄与者が貢献した分がそのうちの100万円と判断された場合、相続財産はそもそもその1000万円から100万円を引いた900万円になり、それを共同相続人間で分ける形になります。

 

③特別受益がある場合

特別受益とは、相続人が被相続人から生前贈与を受けていたり、相続開始後に遺贈を受けていたり特別に被相続人から利益を受けていることをいいます。

例えば、娘が嫁に行く場合に、亡くなった父からお金をもらっていたような場合です。

その場合、すでに被相続人から財産をもらっているため、通常通りに相続すると他の者と不平等になってしまいます。そこで、受益者には相続財産を少なく与えるべきという点から調整がなされます。

 

(特別受益者の相続分)

第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。

 

例えば1億円の財産を残して死亡したAの相続人には、妻B、長男C、次男Dがおり、

長男CはAから自宅購入資金として2000万円、次男Dは事業援助資金として1000万円を受け取っていた場合、みなし財産は、

1億+2000万円+1000万円=1億3千万円

妻 :2分の1→6500万円

長男:4分の1→3250万円-2000万円(自宅購入資金)=1250万円

次男:4分の1→3250万円-1000万円(事業援助資金)=2250万円

 

となります。

※遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができません。

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