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作成日:2019.09.09

遺産共有状態での売却

遺産共有状態での売却

コンテンツ番号:494

本件甲土地、乙建物は相続により3人親族(A・B・C)の1/3共同所有でしたが、内1名(C)の名義分土地が売却により第三者1名(D)と共有名義(売却後はA・B・Dの共同所有)となりました。
※第三者(D)の名義人は不動産業者になります。
売却の前の共有親族(C)は現在も居住しています。
そこで、第三者の名義人(D)に、親族2名分(AB)の共有持分の購入を打診しましたが拒絶されてしまい、要領を得ないため断念しました。
今回土地分割、建物占有料支払いの訴求もあり早急に処分をしたいと考えています(所有地内の建物も販売を希望します)。
なお、共有者2人(AB)の名義(登記名義)は被相続人のままの遺産共有の状態ですが、このまま売却は可能でしょうか。

遺産共有状態での売却

【詳細解説】

そもそも制限物権とは?

相続登記をしないと第三者には売却不可

登記に関して、民法では下記規定があります。

(不動産に関する物権の変動の対抗要件)

民法177条:「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」

登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」とあるように、「登記」がなければ、自己の所有権を第三者に対して主張することはできません。

そのため、相続人は自らが所有者であることを主張するため、登記上の名義人になっておく必要があります。

相続登記をしないと相続財産である不動産を売却することはできません。これは不動産を共同所有している(遺産共有)の場合でも同様です。

また、上記の理由から、被相続人名義のまま直接第三者へ登記の移転もできません。登記は実態に即した形になってなければならず、被相続人から直接第三者への登記の移転もすることができません。

売却の相談もできない?

上記のように、遺産共有の状態で、未だ、被相続人の登記名義の場合、第三者への売却はできません。しかし、売却の相談自体は可能です。


業者を利用する場合(しない場合でも)登記が被相続人のままでも、買い手を探す動き自体は可能です。

ただし、買主が見つかった後、売買契約を締結するには、不動産の名義が相続人名義になっている必要がありますので、買主が見つかり、売買契約を締結するまでに、自己の名義になっていなければなりません。

ただ、相続登記に時間を要する場合もあり、買い手が見つかってからの移転登記手続きでは遅い可能性があり、売却の話が頓挫してしまう可能性もあります。

確かに、不動産を法定相続分で相続する場合には、登記をしなくても第三者に対して法定相続分による相続を主張すること自体はできます。

しかし、法定相続の場合でも、不動産を売却するためには、法定相続分で登記しておかなければなりません。

相続登記は、相続発生後いつまでにしなければならない等の期限はありませんが、相続登記を放置しておくと、2次相続が起きてしまい、権利関係が複雑になる可能性もあります。

例えば、Aが相続登記をせず、放置してしまっている間に、Aが亡くなり、A1がAを相続したような場合です。

登記はいつかはしなければなりません。

相続登記は早くする。これにつきます。

相続登記が無事終了したら第三者への売却も可能

相続登記が無事終了したら、自己の共有持分を第三者へ売却することが可能になります。

こちらについては、他の共有者の同意なくして、自己の持分だけを売却することが可能です。


共有物を売却する場合には、まずは、他の共有者への売却を考えることが良いとされていますが、本件では、不動産会社にはすでに拒絶されてしまっているので、その方法は難しいと考えられます。


そこで、第三者へ自己の共有持分を売却することで、換金することは可能です。

甲建物、乙建物いずれも、自己の法定相続分の持分の売却が可能になります。

ただ、共有持分を買い取る人を探すというのは一筋縄ではいきません。普通の人が共有持分を買い取るというのは考えにくく、専門業者へ相談・依頼することを推奨いたします。

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