相談事例
作成日:2019.05.27
コンテンツ番号:456
A、B、Cは亡き父からの土地甲をそれぞれの相続分、3分の1ずつで共同所有しています。
A、Bは売却したいものの、Cは親の土地は売却できないと反対しています。
Aとしては、次の選択を考えています。
①反対のCを説得し、甲土地全部を売却する。
②Aのみの持分を売却する。
③A・Bの持分(3分の2)を売却する。
どれが一番低コストで解決ができる可能性が高いでしょうか。
本件では、Aは可能な限り低コストで解決することを望んでいます。
低コストのポイントは大きく分けて2つです。
(1)時間をかけずに解決する
(2)できるだけ高く売却する
特に(1)が重要になります。
いくら高く売れても、時間がかかってしまってはその間の経費、労力が余計にかかってしまうからです。
例えば、裁判をしてまで高く売っても、裁判費用や弁護士費用、ひいては、自身が拘束される時間や精神的負担を考えれば、高く売れたとしても実質はそこまで得をしたとは到底言えません。
選択肢①では、反対のCを説得し、甲土地全部を売却すると考えているようです。
この背景には、自己の共有持分のみを売却するよりも、土地全体を売却し、売却代金を按分する方が自己の取り分が高くなる可能性が高いと考えているからでしょう。
もちろん、それができればよいですが、Cの反対が説得できないような状況だと、長い期間交渉や説得を試みる必要がどうしても出てきます。
反対の程度にもよりますが、「低コスト」での解決を望むのであれば、この選択肢はあまりお勧めできません。
次の選択肢は、Aの共有持分のみ売却するという方法です。
これまで何度も述べてきましたが、自己の共有持分のみの売却であれば、他の共有者の同意は不要で、自己の判断だけで売却することができます。
自己の判断のみで動ける分、スムーズに売却できる可能性は高いです。
ただ、共有持分は権利関係が複雑に絡み合っている不動産のため、通常の不動産よりも売却できる可能性はどうしても低くなってしまいがちです。
共有持分の売却は専門業者に相談することが重要になります。
専門業者は独自の売却ルートを持っているケースが多い為です。
もちろん、専門業者と謳っていても、その良し悪しは様々ですので、複数の専門業者に相談するのも客観的判断をするためには重要と言えます。最後の選択肢は、甲土地の売却に賛成のA・Bの共有持分を共同売却するという選択です。
②よりも手間がかかりそう…と思うかもしれませんが、Aの共有持分のみを売却するよりも、ABの共有持分を共同で売却する方が、A単独で売却した時よりも多くの金銭を得られる可能性があります。
それはどうしてか…
極端な例ですが、100分の1の持分と2分の1の持分…買うことを考えれば、共有持分の割合が多い方を買いたい!と考えると思います。
そのため、共有持分割合をできるだけ増やして売却するというのは、(2)できるだけ高く売却するためには非常に効果的です。
もちろん、これには、他の共有者であるBの協力がいります。
ただ、Bとしても、高く売れる可能性が高くなるなら…と承諾してくれる可能性は高いと言えるでしょう。
Bが協力してくれたからと言って必ず売却できる訳ではありません。
買い手がいなければいくら売却したくてもできません。
不動産屋さんや当社のような専門業者に相談することになるかと思いますが、その業者の選定こそ、売却できるか、早く売却できるか、高く売却できるか、が大きく変わってきます。
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