相談事例
作成日:2018.12.17
コンテンツ番号:373
私(A)には大事な大事な一人息子Bがいます。
息子Bには20歳も若い嫁Cがおり、BCには子供DE(いずれも成人)がいます。
先日夫(Bの父)が亡くなり、相続財産をどうするか協議をしています。
しかし、Bが嫁Cの言う通りにしか動かず、腹立たしくてたまりません。
実際、私(A)の財産もゆくゆくはCに行く可能性がある(A→B→C)と思うとこのままでは、もういても立ってはいられません。
とりあえず、嫁の言いなりになっている息子Bとの遺産分割協議も嫌なので、とりあえず相続分に応じて共有にしようと思っています。
孫はかわいいのですが…
どうにかならないでしょうか?
Aが死亡すると相続財産を得られる権利があるのは息子Bです。
嫁Cは相続人にはなれないので、その時点で財産を得ることはありません。
しかし、息子BがCよりも先に亡くなると、Bの相続人はBの嫁Cと孫DEになります。
そうです、息子が嫁より先に亡くなってしまうと、ゆくゆくはAの財産がBにわたってしまうということが考えられます。
20歳以上歳が離れているとのことなので、普通に考えると、Bの方が先に亡くなることが考えられます。
嫁には相続財産を渡したくないと思っても、そうはいかない事態も起こりうるのです。
それも、本件だとかなり高い確率で…
さて、話は変わりますが、本件Aは遺産分割協議すらしたくなく、相続分に応じて共有でよいと考えているようです。
たしかに、相続財産を共有にすることで、全財産にAが関わるようになることもできると言えます。
しかし、共有状態を放置しておくとどうでしょうか。
AとBとの共有状態で、Aが先に亡くなった場合、Aの共有部分の財産は、「すべて」唯一の相続人であるBにいきます。
ここで、気が付いたでしょうか、結局共有状態を続けていても、本件の場合だと、Bに相続財産はいき、Bが亡くなると…
結局、同じことが起こってしまうのです。
嫁に財産を上げたくないと思っても、このままだと嫁に財産がいってしまいます…
そこで、家族信託の方法が考えられます。
かわいい孫に、家族信託の方法で、自己の財産を与える方法です。
家族信託とは、特定の目的に従って、その保有する不動産・預貯金等の資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せる仕組みのことを言います。
「信託」とは、簡単に言うと「財産の運用、管理、処分を信頼できる人や専門家に任せる仕組み」のことです。
財産を託す人を「委託者」と言い、財産を託される人や機関は「受託者」と呼ばれます。財産によって実際に利益を得る人は「受益者」と言います。
本件でいえばAが委託者、DEが受託者兼受益者となります。
信託した財産の所有権は委託者から受託者に移ります。
そのため、信託した結果、所有権はAからDEに移ることになります。
そうです。遺言書等では、いわゆる二次相続まで指定することはできませんが、家族信託を利用すれば、生前に思い通りに相続財産を処分することができるのです。
家族信託制度をうまく利用すれば、嫁に相続財産を渡さなくて済みます。
孫が幼い場合は家族信託を利用し、教育資金を非課税で贈与することもできます。金額は1500万円までですが、2013年の4月から始まっています。
信託銀行等を利用する場合は手数料等がとられてしまいますが、家族信託を利用すれば、手数料もかかることなく、非課税で贈与することができます。
家族信託で生前にできることはほかにも多くあります。こんなことまでできるんだ。という内容もあります。
当社では、家族信託に詳しい専門家も在籍しておりますので、是非一度ご相談ください。
結局息子が嫁の味方!ということはよくあることでしょう。
(逆もあるかもしれません。)
相続財産を事前に整理することは事後のトラブル防止ではなく、自分の思い通りに財産を整理できるか否かに関わってきます。
状況に応じて、提案をさせて頂きます。
■こちらのページもご覧ください
家族信託のすすめ(https://www.c21-motibun.jp/family.html)
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