相続と遺留分減殺請求について

   

相談事例

豆知識

作成日:2018.09.10

遺言書を書いたとしても完全に共有名義を回避することはできない

コンテンツ番号:336

ご相談内容

相続があると権利関係が複雑になってしまう共有持分が発生することがよくあると聞きました。

そこで、遺言書を残し、私の財産を全て指定した者に相続させようと考えていますが、相続による共有状態を完全に回避するにはこれで問題無いのでしょうか。

ご相談内容

【詳細解説】

1、遺留分減殺請求の存在

遺言書で財産を上手く振り分けたと思っても、遺留分減殺請求を行使されると、遺留分の限りでその財産は遺留分請求権者(他の相続人)に渡ってしまいます。

遺留分減殺請求とは、判例(最判昭41年7月14日判決)の文言をそのまま引用すると、「遺留分減殺請求権の行使は受贈者または受遺者に対する意思表示でなす形成権」としています。

簡単に言うと「遺留分を侵害されている相続人が、遺留分を侵害している受遺者や受贈者、あるいは他の相続人に対してその侵害額を請求すること」をいいます。

 

※形成権とは「単独の意思表示のみによって法律効果を生じさせることのできる権利」をいい、相手方の同意は一切不要で権利を行使した瞬間に法律効果が発生します。

 

例えば、父が息子二人のうちの長男にだけ、「全財産を相続させる」旨の遺言書を書いても、次男が遺留分減殺請求権を行使すると、遺留分の限りで、次男も父親の財産を相続することができます。

すなわち兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者・子など)に、被相続人が有していた相続財産の一定割合を保障する制度が遺留分です。

 

遺留分及び遺留分減殺請求権について民法には下記の規定が存在します。

 

(遺留分の帰属及びその割合)

民法1028条:「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。

一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1

二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1

(遺贈又は贈与の減殺請求)

民法1031条:「遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。」

仮に遺言書で、相続人の一人に相続させようとしても遺留分の限りにおいては相続を阻止することはできません。

不動産の場合だと、遺留分減殺請求権を行使されることにより、共有状態が発生してしまいます。

2、遺留分を生前に放棄させる

遺留分も渡したくない!そんな場合は遺言書で「遺留分も放棄させる」と書いても無駄です。

遺留分は相続人に与えられた正当な権利なので、被相続人がとやかくできるものではないのです。

ただ、遺留分の放棄があれば、遺留分減殺請求権が行使されることはありません。

(遺留分の放棄)

民法1043条:「相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。」

同条2項:「共同相続人の1人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。」

 

相続開始前であっても、家庭裁判所の許可を受ければ、遺留分の放棄は可能です。

※相続開始後であれば、遺留分の放棄は家庭裁判所の許可がなくともすることが可能です。

 

ただ、すでに察しているかもしれませんが、なかなか遺留分まで被相続人が生前の段階で放棄する人はいません。

被相続人が亡くなった後でも同様です。

被相続人が生きている間に解決したいのであれば、生前に放棄させるしかないですが、現実的にはなかなか放棄させるのは難しいのが実情です。

3、家族信託の利用

そこで、家族信託をうまく活用する方法があります。

「家族信託」とは、「家族」の「家族」による「家族」のための「信託」のことをいいます。

具体的には、家族信託とは、家族の財産(ここでは共有不動産)を信託財産として設定し、所有者(委託者)の意向にそって家族が受託者となり管理、処分を行う方法です。

生前に信託契約を結んでおくことで、相続財産の行方を思い通りにすることができます。

もちろん、受託者を誰にするかで揉める可能性はあります。

 

 当社では家族信託にも強い専門家が多くおります。

 相続財産を生前に整理したい方、一度ご相談ください。

 
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