養子との共有持分(※親族相盗例なども含む)について

   

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作成日:2018.04.02

養子との共有持分(※親族相盗例なども含む)

コンテンツ番号:263

ご相談内容

父親名義の400㎡の宅地があり、父親の死亡に伴い、法定相続分通りの割合で相続をしました。

それぞれ「持ち分」として登記しました。

 

この土地には、兄夫婦が親と同居で30数年暮らし、今も居住しています。

その間、2人の子供の養育と世帯の食事含む家事のほとんどを母が担ってきました。

ところが、2年前に母の金庫のお金、タンス預金、財布の現金(合計約2000万円)が次々に無くなるという事件が発生しました。

どう見ても内部犯行と思われ、同居している兄夫婦を問い詰めましたが、「知らない」の一点張りで、白黒をはっきりさせるため、私と母で警察に届け出ることにしました。

ご相談内容

こんな場合はどうしたら?

①兄の行為は罪(窃盗罪)になりますか?
その後、警察に届け出たことが分かり、怒りが収まらない兄夫婦は母親を追い出しました。

母を追い出した兄夫婦は親父の遺産金のほぼすべて(数千万円)を独り占めしていると思われます。

というのも・・・母のタンス預金がなくなったころから2人は海外旅行に行き始め生活も派手になったのが明らかだったためです。

そこで、兄達を追い出すために、土地の所有権3/4(母と私の持分:権利書所有)を売却すれば他人(不動産業者)の権利物件となり、住み続けることが困難になるのでは?と思っています。

上記の通り、約108坪の土地に親父や母の了解を得ず、20年ほど前に兄が増築で建てた家があり、家屋は未登記状態で兄夫婦2人が居住しています。

そして、土地は共有物件で登記済みです。母は追い出されており、私は、養子で家を出ております。

②このような土地の所有権(3/4)だけを売ることができますか。
③また、売却した後の法律関係はどのようになりますでしょうか。

 

こんな場合はどうしたら?

①について(窃盗罪の成否)

(窃盗)

刑法235条:「他人の財物窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

とあります。

「窃取」とは、「占有者の意思に反して財物に対する占有者の占有を排除して,目的物を自己または第三者の占有に移す行為のこと」(判例より引用)を言います。

本件で、仮に兄が行った行為が事実だとすれば、兄の行為は「窃取」にあたり、窃盗罪に当たります。

しかし、刑法には以下の規定があります。

(親族間の犯罪に関する特例)

民法244条:「配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。」

兄は母親の金品を摂取しており、兄と母親は直系の血族関係に当たります。

そうすると、窃盗罪が成立したとしても、なんと刑は「免除」されてしまうのです。

その理由は…

権力は家庭内のことには、なるべく介入しないようにすべきだというのが、立法の大きな理由とされています。

窃盗程度であれば、家庭の中で解決すべき話だということです。

よって、残念ながら兄の行為は窃盗罪として処罰されることはありません。

※もちろん刑事責任は問えないとしても、兄に対して民事責任(不法行為や不当利得に基づく損害賠償請求)を問うことはできます。

②について(3/4の共有持分の売却ができるか)

共有持分はその持分のみの売却をすることは可能です。 

 ただし…

(共有物の使用)

民法249条:「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」

とあるように、持分がいくら少なくても持分を持っているだけで、その共有物(本件では不動産)の全部を使用することができます。


完全な所有権を売却する場合とは異なり、制限があるため、共有持分のみの売却だと通常よりも安い金額で取引されることが多いのが実情です。

売却後の法律関係

無事3/4の共有持分が第三者(C)に売却できたとします。

当然、所有権(3/4)については、Cに移転し1/4については兄のままということなり、1/4の持ち分を持つ兄とCの共有関係になります。

兄は本件土地に家を建てて住んでおり、土地に対する共有持分1/4では家は存続することができず、Cに対して利用料を支払うことになると考えられます。

これが成立する場合、兄は利用料を払えば継続して本件土地に住み続けることができてしまいます。

※Cが共有物の分割請求をする場合

(共有物の分割請求)

民法256条:「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。」

仮にCが共有物の分割を兄に求めたとします。

おそらく兄は応じず、どうしても分割したい場合、Cは共有物分割請求訴訟を提起するしか方法はなくなります。

この場合でも裁判所は、家を取り壊さなければいけないような判断をするとは考えにくいです。

(裁判による共有物の分割)

民法258条:「共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。」

同条2項:「前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。」

とあります。


土地の全部を競売に付し、第三者が買い取った場合、その第三者が兄に対して「出て行け」と言えば、住み続けられることはできません。

 

以上のように、兄を本件土地から追い出すには相当の労力がいりそうです。

 

共有持分を売却する場合その裏側にはトラブルを抱えているケースが多くあります。

当社では数多くの解決事例、経験があります。

具体的事案に応じ最適なアドバイスをさせて頂きます。

是非、一度ご相談下さい。

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